JOHN WETTON, ROBIN GEORGE, CARL PALMER, DON AIREY - MARQUEE 1986 SECOND NIGHT(1CD + Ltd Bonus CDR "MARQUEE 1986 FIRST NIGHT") plus Bonus DVDR* Numbered Stickered Edition Only [Virtuoso 199]

JOHN WETTON, ROBIN GEORGE, CARL PALMER, DON AIREY - MARQUEE 1986 SECOND NIGHT(1CD + Ltd Bonus CDR "MARQUEE 1986 FIRST NIGHT") plus Bonus DVDR* Numbered Stickered Edition Only [Virtuoso 199]

販売価格: 2,800円(税込)

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商品詳細

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Live at Marquee Club, London, UK 5th June 1986 TRULY PERFECT SOUND

エイジアが活動停止していた1986年、6月5日に伝説のマーキークラブで行われた幻の公演がサウンドボードレベルの優良音質で今週いよいよ蘇ります!!この音源は過去にAyanamiレーベルから『GO CLUBBING ! 2 (Ayanami-021) 』や『WET DREAMZ (Ayanami-177)』というタイトルで音盤化されていましたがそれも遠い昔の話。当時アッパー版としてリリースされた後者の『WET DREAMZ』でさえリリースは2002年の10月11日でしたから、なんと今月で丸12年も経っています。今回は2014年最新機材を使用してマスターテープを頭から終わりまでつぶさに精査し直し、丁寧にリマスタリングを施した事でそれら過去の音像とは比べ物にすらならない極上音質が実現しました。既発盤で散見された音揺れとヒスノイズがパーフェクトに無くなり、ブレの無い安定した音像が質感豊かなサウンドで立ち上がる様子に間違いなく驚かれるでしょう。また静音部も細心の注意を払って調整した事で残響音の伸びも増し、音域の幅と奥行きの深さが直感でお分り戴けるほどの劇的なアップグレードを果たしています。最新機材で音を精査して得られた隙の無い高解像度の決定的サウンドゆえ、この音源の最終決定版としてプレスCD化+ピクチャーディスク仕様での登場となっています!!

熱心なファンの方は御承知とは思いますが、この公演は長いエイジアの歴史上でも特別なもののひとつです。元々は" NORDOFF-ROBBINS MUSIC THERAPY CENTER LTD. "という施設の為に行われたもので、ミュージック・セラピー(音楽によって精神障害児を治療する試み)の為のAIDコンサートでした。メンバーはジョン・ウエットン、カール・パーマー、ロビン・ジョージ、ドン・エイリーに加え、特別ゲストとしてフィル・マンザネラが参加しての5人編成となっており、厳密にはエイジアでなく" John Wetton And Friends "という名義で行われたものです。しかし本来はエイジア名義でやるつもりだったライブで、その為にプロデュースもウエットン自身がやって動いていたほどでした。でも当時のダウンズがGTRのプロデュースで多忙だった為に参加が不可能となり、マンディ・メイヤーも『ASTRA』にまつわるツアー(※セールスが好調なら86年の春からワールドツアーが予定されていた)が無くなった事で既にエイジアとは別のスケジュールで動いていたので都合が合わず、メンバーの見直しとバンド名義の再考を余儀なくされます。そこでイの一番にスポットを当てたのがロビンでした。何故彼だったかと言えばこれは或る意味当然で、彼は『ASTRA』で正式メンバーになったマンディよりも前に、ハウの後任ギタリストとしてエイジア加入を打診されていたプレイヤーだったからです。当時のロビンはソロアルバム製作に忙しかったのでそのオファーを断ったそうですが、この時はそれも終わりスケジュールが開いていた為に参加が決まった様です。マンザネラはウエットンがロキシー・ミュージック時代に競演歴があった事と、ちょうどこの時期(※86年3月〜8月)、翌87年にリリースとなる『WETTON / MANZANERA』のレコーディング中だった事でウエットン自身から参加要請があった様です。ドンに関してはどういった理由で呼ばれたのかは不明ですが、当時ウエットンは日本のバンドVOW WOWのプロデュースに関わりを持ち始めた頃なので、その人脈繋がりで紹介されたのかもしれません。こうして動き出したこの布陣は名義こそエイジアではないものの、エイジアの中心メンバー2人がエイジア活動停止中に唯一やった別プロジェクトとしてのエイジアとも言える訳ですから、大変重要なライブであったことは言うまでもありません。本作はそんな86年6月5日、このプロジェクトで2回やった公演の2日目・最終日の音源が超極上音質で収録されているのです!!

まず冒頭で司会によるバンドのコールがありますが、これがエイジアではなく"John Wetton, Robin George, Carl Palmer, Don Airey"となっているのは先のバンドの成り立ちについての説明通りです。またこのバンドコールは既発盤には未収録だった部分でもあり、今回が初収録となっています。「Sole Survivor」ではのっけから83年までのエイジアには無かったへヴィなサウンドが花開き、リマスタリングによって一新された中音域の豊かな振幅に驚かれるでしょう。前日4日の公演と違い、この日何故か声を潰してダミ声気味になっているウエットンの歌唱も大変印象的です。「Only Time Will Tell」では重たい音の筆致で導入部が飾られ、煌くようなハイハットの打音とキーボードの出音も既発盤とは比べ物にならないほど艶やかに出音してゆきます。終曲部ではドンらしい解釈でオリジナルのフレーズを散りばめて弾いているシーンがあり、この様子も聴き逃せないでしょう。「Go Down Fighting」はロビンのワイルドなソロ曲で、ベースの運動性が既発盤よりも強く鮮やかに再生されてゆく事に御注目下さい。へヴィな曲想でありながらも躍動するメリハリ感があるこの布陣の演奏マジックが、力強い出音で耳を駆け抜けます。以上ここまでが4人での演奏で、終曲後に特別ゲストとしてフィル・マンザネラが加わって5人編成となり「Keep On Loving Yourself」がスタートします。

この「Keep On Loving Yourself」ですが、この曲は元々エイジアの未発表曲で83年のアルバム『ALPHA』から漏れた曲(※原題は「Keep The Love Alive」)でした。このライブの翌年1987年に『WETTON / MANZANERA』に収録されてアルバムのリードトラックとなり1stシングル(US盤プロモオンリー)にもなりますが、興味深い事にここでは曲が完成形になる一歩手前の状態のものが披露されています。これは言い換えると『ALPHA』収録から漏れたこの曲の手直し中のものが聴けるとも言える訳で、資料的にも非常に貴重な演奏と言えるでしょう。メロディラインは後の完成版と同じですが導入部の尺と中盤の展開部(4分10秒付近〜45秒付近)に於けるギターのアプローチの違い、更に終盤5分39秒付近〜終曲までの整理されていない不安定な展開など、後のアルバムに収められた完成形とは違いが散見されるのが興味深いところです。またドラムのアプローチも完成版とは随分違っていますが、これはドラムを叩いているのが完成版のアラン・ホワイトではなくカールだからで、これも非常に重要なトピックスと言えましょう。何故ならここでのカールは『ALPHA』製作時のデモトラックで何度かこの曲を聴いたかプレイした経験がある筈だからで、そのエイジア未発表曲時期のリズム・アプローチを思い出して叩いていると思われる為です。つまり深読みすると、ここで聴ける演奏のリズム面・ドラミングに関しては82年末〜83年初頭のエイジア未発表曲時期の面影を或る程度残していると推察されるのです。

「Don't Cry」はウエットンが相変わらず滅茶苦茶な歌詞をワメいていますが、導入部以外の演奏とフックの効いたグルーヴ感はエイジア史上でも屈指の力強さを誇っており、ここでのへヴィで華のあるアプローチは後のエイジアで花開くハードなサウンドの起点と言えるでしょう。終曲の仕方も一風変わっており、楽曲をブツ切る様にしてグルーヴを一斉に止めるスタイルは89年の再結成時にも踏襲されていましたから、その雛形がこの86年の演奏で現れているのは興味深いところです。ロビンの曲「Heartline」は彼の魅力が浮き出た好演奏で、当時からマルチプレイヤーとして高く評価されていた彼の持ち味が存分に出ているシーンです。随所で印象的に出てくるドンのきらびやかな装飾音も彩りを与えていますし、リマスタリング効果でより迫力を増したドラムの熱っぽい打音も大いに耳を潤してくれるでしょう。「The Smile Has...」はドン特有の表現とウエットンの歌唱が不思議な融合を果たしているシーンです。ここで注目したいのは「シンセの音色を主軸にした伴奏+歌唱」というデュオ・スタイルでしょう(※"ピアノ"単体の音色+歌唱ではない点がキモです)。エレキピアノの出音が無い訳ではありませんが、ドンはこれを最小限に抑えてストリングス系のサウンドをメインに勝負しており、これも長いエイジアの歴史で他に例が無いパフォーマンスとなっています。既発盤では感じられなかった左右からの振幅を深く感じるリマスタリング効果も絶大ですので、ここは出音の様子も是非御注目下さい。

ストーンズの「Honky Tonk Woman」ではこの布陣ならではの演奏力が聴きモノで、原曲の良さを押し上げたブルージーな表現が生まれ変わった極上サウンドで出てきます。またこの曲で突然シンセドラムの様なリズム音が聴こえますが、これはカールがギター型のショルダー・シンセドラム(?)を首から下げて叩いている為です(※この楽器については本作に付属するボーナスDVDR『MARQUEE 1986 2ND NIGHT: REHEARSALS』の項で記述していますので、合わせて御参照下さい)。終曲部からはそのギター型ショルダーシンセドラムでカールが疾走感満点のビートで場を煽り、ドンがそれに応える形でスリリングな鍵盤ソロが展開してゆく異例の競演が楽しめます。「Dangerous Music」では再びロビンにスポットが当たり、彼らしいワイルドなロックンロールが彫りの深い表現で全開になります。中間部にはやや強引にカールのドラムソロ(※こちらは本物のドラムを使用)をインクルードしていますが、興味深いことにここで披露しているソロは再結成を果たしたエイジアが1990年の夏に東ベルリンで行った" EAST MEETS WEST FESTIVAL "で披露した「The Heat Goes On」曲中にインクルードした短縮ソロに酷似している事です。これは90年にやっていたドラムソロの構成が既にこの時点で完成していた事が分かるレアシーンと言えるでしょう。ビートルズの「Back In The USSR」からはアンコールとなっていますが、ここもヒスノイズが若干目立った既発盤とは別物の視界の晴れた音像で再生され、調子の悪い喉を酷使したせいで大変な事になっているウエットンの歌唱もより生々しく近い音で迫ってきます。「Heat Of The Moment」もその濁った声と歌唱が他では聴けない印象深さを呈していますが、歪んだギターから入る独特の導入部を含め、エイジアには無い5人編成特有の旋律の膨らみが色鮮やかな出音でお楽しみ戴ける筈です。

翌87年にリリースされたアルバム『WETTON / MANZANERA』の日本盤LPの帯にはリード文字として「大英帝国夢うつつ」という名キャッチが躍り、ライナーノーツには1988年にエイジアとしての新作がリリースされる旨が書かれていたのを御記憶の方も居られるでしょう。結果的にそれは各メンバーのスケジュールや諸事情で成就しませんでしたが、しかしここで聴ける演奏や、カバー曲を含む選曲の多彩さにはエイジアとしての重圧や緊張感から解放されたウエットンの横顔がよく出ていますし、名称こそ" John Wetton And Friends "ではあれど、全員イギリス人の名だたるミュージャンで固めたそのサウンドはまさに「大英帝国夢うつつ」と言えるでしょう。今週末はエイジアの空白期にポツンと存在するファン必聴のこの名音源を是非お試し下さい。演奏内容は勿論、最新機材を使って丁寧にリマスタリングした2014年版の鮮やかなサウンドは過去の既発盤を一蹴し、レベルの違う極上の音の仕上がりに深く御満足して戴ける自信作となっています。信頼のVirtuosoレーベルが放つ86年エイジア≒John Wetton And Friendsの決定版、どうぞ御期待下さい!!

★ナンバリング入りステッカー付でのリリースとなります。

(71:24)
1. Intro. 2. Sole Survivor 3. Only Time Will Tell 4. Go Down Fighting 5. Keep On Loving Yourself
6. Don't Cry 7. Heartline 8. The Smile Has Left Your Eyes 9. Honky Tonk Women 10. Keyboard Solo
11. Dangerous Music 12. Drum Solo 13. Dangerous Music(reprise) 14. Time Again 15. Back In The USSR
16. Heat Of The Moment

John Wetton - Bass, Vocal Robin George - Guitar, Vocal Carl Palmer - Drums
Don Airey - Keyboards Phil Manzanera - Guitar(Special Guest)

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★ジョン・ウェットン、ロビンン・ジョージ、カーツ・パーマー、ドン・エイリー「MARQUEE 1986 SECOND NIGHT」の初回納品分に限り、本編タイトルの前日となる6月4日、この布陣によるマーキーライヴの初日公演を高音質オーディエンス録音で完全収録した「MARQUEE 1986 FIRST NIGHT」が特別に付属致します。

JOHN WETTON, ROBIN GEORGE, CARL PALMER, DON AIREY - MARQUEE 1986 FIRST NIGHT(Bonus CDR)
Live at Marquee Club, London, UK 4th June 1986 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND

86年マーキーライブの初日・6月4日の音源といえば、レーベルAyanamiの最初期タイトルとして当時大好評を博した『GO CLUBBING ! (Ayanami-007) 』がかつて存在しました(※リリースは2000年5月)。本作はその14年前の名盤に使用されたマスターテープを本編CD『MARQUEE 1986 2ND NIGHT』同様に2014年最新機材を使ってリマスタリング。収録原音をブラッシュアップし、現時点で可能な限りそのグレードを高めたタイトルです。既発盤のサウンドは全体的に靄が若干掛かった様なものでしたが、今回の最新リマスタリングで不鮮明だった音像がサッと晴れ渡って曲の輪郭が明瞭に浮き上がり、ヒスノイズも完璧に除去した事で出音してくるサウンドが見違えるほど視界良好になっているのが特徴です。また収録原音の良さを最大限引き出すことも同時に目指しましたので、当時のAUD録音特有の湿り気をしっかり残しながらもシャープな音像を実現。モコモコと不鮮明だったフィルのギター音(特に「Keep On Loving Yourself」で顕著でした)も、本作では端正な音色で明確に聴ける様になっています。また何と言ってもこの初日公演はウエットンの喉の調子が正常ですので、彼の歌唱パフォーマンスがより完璧な浮き出た音像で聴ける点も大きなトピックスでしょう。まさにボーナスとは思えない艶やかなサウンドに驚嘆されること請け合いの収録内容となっているのです!!

さて本作4日・初日の演奏は本編CD・5日の演奏とは違っている点が多くあり、それがまた86年マーキーライブ両日の聴き込みを面白くしてくれます。例えば本作4日演奏の「Sole Survivor」はボーカルのところどころでエコーが掛けられているのが確認出来ますが、本編CDの5日公演ではエコーが掛けられていないので、一曲目から早くも表現差が感じられるでしょう。また歌詞の切れ目で声を伸ばして歌い上げるという特徴的なシーンも随所(※2分04秒〜07秒付近、同2分20秒付近、3分57秒付近、4分13秒付近)であるなど、聴きどころが目白押しです。「Only Time Will Tell」でもタフなサウンドイメージが耳を惹き、歌詞を一部入れ替えて歌っている3秒14秒付近では感極まって「♪Ohh...」と突発的な感情表現を入れているのも注目です。ドンのキーボードもオリジナルには無い魅力的な旋律を入れていますが、それも今回の最新リマスターによって躍動感ある旋律の筆致が一層強く耳に残ると思います。「Keep On Loving Yourself」からは翌5日の公演同様にフィル・マンザネラが加わり、ここから5人編成での演奏となります。やはり後の完成形とは違う長めの導入部やタイミングの合わせ方、全く違うギターソロ、やや間延びした後半部などアプローチの細かな違いが随所で大変興味深い演奏です。ドンの入れる装飾音も後の完成版には無いもので、これがドンのインスピレーションによるものなのか、それともエイジア未発表曲時代の名残りなのか、興味は尽きません。「Don't Cry」はこの日、曲後半のギターソロの音数が翌5日よりずっと多めで、ロビンが熱く弾き込んでいるのが印象的です。更に「The Smile Has...」ではエレキピアノの活躍が目立っており、ストリングス系の音色を主体にした5日のスタイルよりもオリジナルに近い表現になっているのが面白いところでしょう。

ストーンズの「Honky Tonk Woman」から繋がるドンの鍵盤ソロでは5日の演奏同様にこの日も幾つかの曲が網羅されており、映画「未知との遭遇」での特徴的な5音階、またグレッグ・レイクの「夢見るクリスマス / I Be
lieve In Father Christmas』の旋律も出てきます。6月なのに何故この曲を?と疑問に感じますし、「夢見るクリスマス」というよりはその原曲であるプロコフィエフの旋律を弾いているだけなのかもしれませんが、しか
しここはこのライブの趣旨、即ち精神障害児に対してのミュージック・セラピーであった事に意図があったと思いたいシーンではないでしょうか。つまりこの曲で歌われる、

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希望に満ちたクリスマスになるといいね
躍進する1年がやってくるといいね
心の中から怒り、痛み、悲しみを取り去って
あなたの道を綺麗にしてくれる様な・・
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・・という、あのピート・シンフィールドが書いた歌詞をキーボードの旋律に込めたドンならではのメッセージだったと、ファンとしては読み取りたいところです。 「Time Again」は素晴らしくタフな表現が際立ちますが、当時このアプローチに違和感を感じた方も現在に至るまでのエイジアサウンドの遍歴を知っていれば、この日のこのプレイスタイルがどれほど大きな意味を持っていたのか、その重要度が改めてお分かり戴ける筈です。アンコールはここでも「Back In The USSR」に始まり「Heat Of The Moment」で締められていますが、翌5日はショウの初めからウエットンの声の調子が悪かっただけにアンコールの頃では喉が潰れて濁っている為、この演奏は本作4日の方がストレートにアンサンブルの良さと歌唱の魅力が出ています。特に「Heat Of The Moment」は正常な歌唱で聞き通せる86年唯一の演奏ですし、ブツ切る様な終曲の仕方も5日同様に独特なので最後の一音まで聞き逃せません。更にその終演後は何と3分半以上もテープが回り続けており、終演後に何度か入る挨拶や全てのショウエンドを告げる最後のDJアナウンスまで完璧に記録しているのも本録音の嬉しい特徴です。

エイジアの活動停止時期だったこの86年〜88年頃、ウエットンに「君は最近何をしてるの?」と問い掛けると、彼は必ず「エイジア」と答えていたというエピソードが残っています。興味深い事にこのマーキー2公演が行われる直前、86年5月29日付けの英国KERRANG!誌にウエットンのインタビューが載っており、そこで彼は「エイジアは基本的にカール、ジェフ、そして自分の3人で組織されており、我々が居る限りエイジアは続くだろう」と、『ASTRA』発表後半年経ってマンディ・メイヤーが抜けた後のエイジアについて語っています。その定義で考
えればこの86年マーキーの布陣は彼の中でエイジアではなかったのかもしれません。しかしマンディよりも先に目星をつけてエイジアに誘っていたロビンが居たり、ツインギターでエイジアサウンドの可能性を試したり、それまでには無かったハードなアプローチで曲を演奏してみたりと、後のエイジアの布石となる試みがこの86年マーキーライブにあったのは紛れも無い事実でしょう。本編CDと時系列に並べて聴く事でこの時の演奏の理解度を飛躍的に高め、更に86年マーキー2公演を完全制覇出来る最強のバックアップタイトル、是非御体験下さい!!

(70:27)
1. Intro. 2. Sole Survivor 3. Only Time Will Tell 4. Go Down Fighting 5. Keep On Loving Yourself
6. Don't Cry 7. Heartline 8. The Smile Has Left Your Eyes 9. Honky Tonk Women 10. Keyboard Solo
11. Dangerous Music 12. Drum Solo 13. Dangerous Music(reprise) 14. Time Again 15. Back In The USSR
17. Heat Of The Moment

John Wetton - Bass, Vocal Robin George - Guitar, Vocal Carl Palmer - Drums
Don Airey - Keyboards Phil Manzanera - Guitar(Special Guest)

Special Bonus CDR for 1st set of "MARQUEE 1986 SECOND NIGHT"(Virtuoso 199)

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★★特別企画

★ジョン・ウェットン、ロビンン・ジョージ、カーツ・パーマー、ドン・エイリー「MARQUEE 1986 SECOND NIGHT」の初回ナンバー入りステッカー付きに限り、このライブ時のリハーサル及び2日目のライヴ映像がボーナスDVDRとして付属致します。ネット上に断片的に存在するものですが、それを可能な限り解像度を上げて丁寧にトリートメントした映像集に仕上げました。この時のリハ映像、そしてライヴ映像がこのような形で残っていた事にも驚かされますが、なにより動くこの日、この布陣の演奏が観れるのは最高の一言。百聞は一見に如かずとはまさにこのことの重要かつ贅沢なボーナスタイトルです。

JOHN WETTON, ROBIN GEORGE, CARL PALMER, DON AIREY - REHEARSALS & LIVE AT MARQUEE(Special Bonus DVDR)Marquee Club, London, UK 4th & 5th June 1986

1986年6月4日と5日に行われたマーキー・クラブ公演のリハーサルと本編ライヴ(プレス盤で聴けるマーキー2日目)を、どちらも良質なオーディエンスショット映像で収録。関係者がバンド側から許可を受けて撮影した映像らしく、どちらも見やすく楽しめる映像です。まずは冒頭のリハーサルテイク。オーディエンスによるビデオ撮影ですが、収録者は手馴れている様で手ブレれも殆ど無く、画質も音質も当時のものとしては充分でしょう。撮影位置はステージ向かってやや右側、列にして5列目程度からのもので、ステージとメンバーが程好く収まっているので観易いのも嬉しいところです。「Go Down Fighting」は画面右でロビンが本番さながらに熱唱しており、ルーズで熱っぽいギター捌きをしながら楽曲を率いている様子が印象的です。横でサポートするウエットンも一音ずつ確実に音を出しており、あの特徴的なベース音を伴いながらバックコーラスで演奏を支えている様子が見て取れます。しかし一番興味深いのは意外にもカールが熱を込めて叩いている点で、リズム面から曲の輪郭を際立たせているのがよく分かる映像になっている事でしょう。終曲部もメインのロビンが仕切るのではなく、ロビンが挙手して合図を送るとそれを受けたカールがリズム面から締めに入ってゆくという構図がこの映像からも観て取れ、この曲に於けるカールの重要度が高かった伺えます。またもうひとつ面白い点は、本番ではステージに居ないフィルが映っている事です。映像序盤で画面左側にギターのネックがチラッと映る程度で音は出していない様ですが、本番ではこの曲の後から参加するのでそこにスタンバイしているのでしょう。この事からこのリハはショウの流れの確認と、フィル登場のタイミングを図るものだった事が分かると思います。

「Honky Tonk Woman」の映像では、なんとカールがフロントでギターを弾いているのが確認出来ます。しかしよく観るとそのギターを手と指で叩いているので「おや?」と思われるでしょう。実はこれ、ギター型のショルダー・シンセドラム(?)なのです。ギター型ですが、よ〜〜く観ると弦が張られていません。実際にこの時のライブを御覧になった方の話では左のネックの先にちょっとしたコントロールのファンクションがあり、右手でボディを叩くとリズムがスタートするというものだった様です。今で言うシンセギターの亜種とも言えますが当時
としては大変珍しい楽器ですし、あの頃は他に似た様な楽器も無かったと思うので、これはひょっとするとカールが80年代に専属契約していた楽器メーカーREMOの試作機だったのかもしれません。そんな訳でこの曲ではカールがこの楽器を首から下げてフロントで電子的なリズムを叩き出し、次のドンのキーボード・ソロではこの楽器でドンと速いリズムの即興演奏バトルをしていた訳で、ここではその前段階の一コマが垣間見られる貴重なシーンとなっています。

「Don't Cry」のリハでは、映像の冒頭でカールが愛娘をドラムキットの中で抱いている映像からスタート。彼女はASIA IN ASIAがあった1983年生まれなのでこの時3歳か4歳の姿でしょう(※ちなみに彼女は現在、この当時のカールがそうなって欲しいと願っていた法律家に本当になられています)。それはさておき、ここでは嬉しい事にメンバー5人が揃った映像でリハの様子が追えるのですが、それだけに全体音とツインギターによる旋律の膨らみ方を目と耳で確認出来る絶好のポイントとなっています。曲中で或る程度せわしくコードを刻むロビンと、時折カッティングやブロークンコードを交えながら旋律に彩りを与えるフィルの姿がありますが、これはギターという楽器を本質的に硬いものとして捕らえているロビンと、本能的にギターを柔らかいものとして捕らえているフィルという両プレイヤーの個性が出ている訳で、それが映像からちゃんと伝わってくるのです。曲の前奏部分ではそのツインギターのサウンドの組み立てを中央のウエットンがじっと見て(特にフィルを)確認してから歌い始めているのも興味深いところです。しかしそのウエットンはどうかというと、そうして周囲のサウンドを厳しく統括しながらも自身では歌詞を覚え直そうともせず、相変わらずメチャクチャな歌詞を本番以上の惚れ惚れする声で歌い上げているのですから、まったく微笑ましいではありませんか。ちなみに終曲手前に入るギターソロの最後で「♪(Don't) Cr〜〜〜〜〜y, Don't Cr〜〜〜y...」と、非常に長く伸ばして歌っているのはこのリハのみの大きな聴きどころ。同シーンの4日本番は何も歌わず、5日本番は「♪Ahh...」としか歌っていませんので、テキトーな歌詞以外は本番以上の極上な歌唱が楽しめます。尚、英国KERRANG!誌に当時載った5日のライブ写真を見るとこの映像で観られる衣装とは違っており、更にこの映像ではウエットンの声も潰れて濁っていませんので、このリハは恐らく初日・4日のものと思われます。実際に4日の公演を観た方の話では、KERRANG!の写真撮影の為にバリッと決めた5日の衣装とは全然違う非常にラフな衣装だったそうです。短いリハ映像ではありますがそんな観どころが一杯詰まった一枚、是非お楽しみ下さい!!

貴重ながら細切れの映像のリハーサル映像と違い、マーキー2日目、6月5日のライヴテイク Go Down Fighting、Keep On Loving Yourself、Don't Cry、Heartlineの4曲は一曲ごとしっかりと映っています。楽曲はロビンの曲2曲と、ウェットンが歌う2曲であり、前日のリハーサルと違い、ビシっとオシャレに決めたメンバーの勇姿を生々しいオーディエンスショット映像で見ることができます。ステージ後方からのショットですが、許可を受けた撮影しているようで、カメラワークそのものは安定しており、全体の見応えも素晴らしいものがあります。音だけでは判らなかった実際のライヴの詳細をこのような優れた高品質な映像で観れる日が来るとは・・・なんとなくある種の感慨を覚えてしまう1枚であります。全体収録時間26分30秒。プレス盤のボーナスとしてはこれ以上ない程にベストマッチな1枚であり、資料的にもハイグレードなお薦めタイトルです。

(26:30)
Rehearsals at Marquee Club 4th June 1986

1. Don't Cry 2. Go Down Fighting 3. Soundcheck 4. Robin Solo 5. Honky Tonk Women
6. Keep On Loving Yourself 7. Soundcheck 8. Don't Cry

Live at Marquee Club 5th June 1986

9. Go Down Fighting 10. Keep On Loving Yourself 11. Don't Cry 12. Heartline

COLOUR NTSC Approx.27min.

Special Bonus DVDR for limited numbered stickered edition of "MARQUEE 1986 SECOND NIGHT"(Virtuoso 199) NOT FOR SALE