PINK FLOYD - DEFINITIVE MSG 1977(2CD) [Sigma 192]

PINK FLOYD - DEFINITIVE MSG 1977(2CD) [Sigma 192]

販売価格: 3,800円(税込)

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商品詳細

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Live at Madison Square Garden, New York City, USA 2nd July 1977 TRULY PERFECT/ULTIMATE SOUND

 イギリス勢がアメリカでコンサートを行う道を1960年代に築き上げたのがビートルズやストーンズだとすれば、1970年代に入ってそれをスタジアム・クラスのツアーにまで拡大させたのがイギリス勢の一角がピンク・フロイドでした。しかも1960年代には当たり前だったシングルのチャートNo.1ヒットに頼らず、あるいはテレビやラジオの出演に頼らず、あくまでアルバムの爆発的な売り上げだけでファンを獲得し、それでいてアメリカを精力的に回っていたことに驚かされます。
 フロイドは初期にこそ「See Emily Play」でシングルのポップ・ヒットをモノにしていましたが、シド・バレット脱退後はアルバム志向のグループの筆頭となります。そして1973年にはアルバム「狂気」のマンモス・ヒットにより、この年の前半は未だにアリーナを中心としていた会場を回っていたのに対し、6月から初のスタジアム・クラスの会場も導入されたアメリカ・ツアーを敢行。
 「狂気」のメガヒットによってアメリカでの人気を確固たるものとし、どちらかというとカルトなジャンルに属していたプログレッシブ・ロックをアメリカでメジャーなジャンルにまで広める役割を果たしたのです。そこで獲得した人気はあまりにも大きく、1975年になって再びアメリカを回った際には、完全にスタジアム中心のツアーにまで拡大したほど。

 ところがアメリカの大会場でツアーをする際、思わぬ障害が起きるようになってしまいました。それは一部の観客がライブの最中に爆竹を鳴らすというもの。アルバムがリリースされる前の新曲を大会場で披露していた75年からは、それが深刻化してしまいます。元々スタジアムやアリーナのスタンドの上の方の席で音楽に聴き入るというのは、当時のアメリカでは困難なこと。何よりもPAのシステムがようやく確立された時代なのだから、なおさらでしょう。問題は、そうした悪いポジションからライブを鑑賞しているオーディエンスの一部が、退屈しのぎで爆竹を鳴らすという習慣を覚えてしまったのだから困りもの。
 実際にコンサートで爆竹を鳴らすという悪戯はアメリカ以外の会場ではまったく見受けられず、それが74年と75年でフロイドのライブ・サウンドが激変した一因でもありました。お金を払ってわざわざ爆竹を鳴らしに来るだなんて。
 
 そこで1977年のアニマルズ・ツアーこと「In The Flesh」ツアーにおいては、まずアルバムをリリースし、最初にヨーロッパを回った後でアメリカに出向いています。それでもロジャーからすれば、またあの騒がしいアメリカを回らなければならない…という苦悩がもたげていたに違いありません。アニマルズ・ツアーのスケジュールがアメリカに移行したのは4月でしたが、奇しくもここ一年程、6月のアメリカでのステージを収めた音源のリリースが続いています。
 昨年は「CHICAGO 1977」、そして今年は「BOSTON 1977 MASTER TAPES」に数週間前に再発されたばかりのエバーグリーン「DEFINITIVE OAKLAND 1977」といった具合です。それらを聴くと、アメリカでのアニマルズ・ツアーの安定期かつ充実期が6月であったことを痛感させられたのではないでしょうか。特にボストンではロジャーが満足のあまり終演時に「Perfect End To A Perfect Day! Good Night」という言葉を発したことは有名です。
 そんな充実の日々に暗雲が立ち込め始めたのが6月における最後のライブだった29日のフィラデルフィア公演。そこでは演奏中に何度も爆竹が打ち鳴らされてしまいます。そしてアメリカ・ツアーが最終局面を迎えた7月のニューヨーク・マディソン・スクエアにおける四夜連続公演において、爆竹騒ぎが演奏を妨害するレベルにまでエスカレート。充実の6月から一転した状況での演奏が連日続いてしまったことが、ロジャーに多大なるストレスを与え、その結末がツアー最終日のモントリオールで待ち受けていたのです。

 皮肉なことに、ロジャーやバンドにとって試練の日々となったMSG公演に関しては、非常に音質の優れたオーディエンス録音が存在します。中でも驚異的な音質を誇るのが7月2日。まずはLP「CAUGHT IN THE CROSSFIRE」にて日の目をみたものの、その後CDになるとしばらくはコンサート第二部の切り売りアイテムが集中してしまいます。コンドル系Natural ZoneのLPと同名CDやTSPの「WELCOME TO THE MACHINE」などがそれらの代表と呼べるもの。
 そうした中途半端なアイテムが幅を利かせてしまった原因は、異常なほどにハイ・クオリティな第二部の録音状態のせいでした。テーパーが第一部の後でポジションを変えたことが要因だと思われますが、それにしても信じられないほどにオンな音像。先のアイテム群のリリース時に「サウンドボード」と謳われてしまったのも無理はありません。
 一方、そのせいで緊迫の第一部が伝わらなかったのも事実。そこでの爆竹騒ぎは本当にひどい。ほとんどの曲で演奏中に爆竹が鳴らされてしまうのです。おまけにMSGというインドア・アリーナのせいで「Pigs (Three Different Ones)」のエンディングなどは、耳をつんざくレベルで爆音が鳴り響く様子が捉えられてしまった。音像の距離感という点では第二部に及ばなくとも、緊迫の臨場感をこれまた驚異的なクリアネスで再現してくれる第一部の音質も非常にレベルが高い。同曲が終えた後、ロジャーが休憩の旨をオーディエンスに伝えていますが、あれだけの妨害に遭いながら平静を保とうとした様子が伺えます。

 質感は違えどこうしてそれぞれのステージが別格のクオリティを誇るMSG二日目ですが、「PROG KING」、その飛躍的なアッパー版である「DAY OF THE ANIMALS」で現代に相応しい決定版リリースを続けてきました。しかし数週間前に再発したオークランドと同じように、マスターテープからのトランスファーが登場し、このクラシックなオーディエンス録音の最終決定版としてリリースされたのが今から二年前にリリースされた「NEW YORK 1977 2ND NIGHT」だったのです。
 MSG連続公演における最大の定番音源、それがここまで究極の形で限定のプレスCDに封じ込められたとは…そんな溜息にも似た反応がマニアから寄せられ、当然のように早期のSold Outを記録してしまった。となればオークランドと同じく再発のリクエストが絶えなかったのも当然のことでしょう。お待たせしました、遂にこのMSG二日目の決定版が再登場いたします。度肝を抜くような、それこそ1977年の「音」だとは思えないほど究極のオーディエンスたる第二部。さらには爆竹に苛まれる一方で懸命に演奏を続けるフロイド、そして演出や当時の最新アルバムからの曲に熱狂するオーディエンス(それらが単なるハプニングに終わらない優れた点でしょう)、それらすべてを最高の鮮度とクリアネスで捉えてくれた第一部。そんな緊迫の一夜のベスト・バージョンを再発いたします!

★ナンバリング入りステッカー付でのリリースとなります。

Disc 1(51:53)
1. Sheep 2. Pigs On The Wing Pt. 1 3. Dogs 4. Pigs On The Wing Pt. 2
5. Pigs (Three Different Ones)

Disc 2(72:49)
1. Shine On You Crazy Diamond Pts. 1-5 2. Welcome To The Machine 3. Have A Cigar
4. Wish You Were Here 5. Shine On You Crazy Diamond Pts. 6-9
6. Money 7. Us And Them