PINK FLOYD - ZURICH 1972 MATRIX(2CD) [Sigma 212]

PINK FLOYD - ZURICH 1972 MATRIX(2CD) [Sigma 212]

販売価格: 3,800円(税込)

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商品詳細

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Live at Hallenstadion, Zurich, Switzerland 9th December 1972 TRULY PERFECT SOUND

ピンク・フロイド72年チューリッヒ公演が遂に2ソース・マトリックスで登場!! 伝説の公演が前例の無いワイドな視界を持つ高解像サウンドで甦ります!!

フロイド1972年12月9日のチューリッヒ公演と言えば2つの良録音が現存しているのは皆様御存知でしょう。同年1月から続いた" The Dark Side Of The Moon "の試作版演奏、その最終型がどちらも良質なステレオAUDサウンドで堪能出来るものとして我々フロイド音源ファンには馴染み深いものでした。念のため改めてこの2音源を整理しておきますと以下の様になると思います。

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〈Recorder 1〉:
80年代初頭のLP『LIVE IN ZURICH (FROG RECORDS - PF1A/B PF2A/B)』や『LIVE IN ZURIGO (WIND RECORDS - BP 0013)』で陽の目を見た、最もポピュラーなソース。後にこれらアナログLP盤で使用した大元のテープソースが発掘され、LP収録時にカットされた部分も含んだ全長版ソース(※ 本作でも使用)が現在ではRecorder 1の定番になっています。通常のL/R収録によるステレオAUD録音。

〈Recorder 2〉:
そんなRecorder 1より「Speak To Me」が1分半以上も長く収録され、完全初登場のアンコール「Childhood's End」をも含んだ、約107分にも及ぶ驚異の同日別録音。音質もRecorder 1より幾分優れており、インターネットが普及して間もない頃に突如ネット上にこれが出現した時は世界中のフロイド音源ファンが度肝を抜かれました。珍しいM/S( ミッドサイド )収録によるステレオAUD録音で恐らくM/S仕様に配線されたマイクを使っての収録
をステレオにデコードしたものがマスターになっています。

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これら現存する2ソースを最良の姿で聴ける4枚組の決定盤として2017年6月に登場したのが『ZURICH 1972 (Sigma 179)』だった訳ですが、本作はそれに使用されたこのRecorder1と2のマトリックス版で、近年ネット公開され世界中のフロイド音源ファンの間で熱い視線を浴びている驚異の高音質72年チューリッヒなのです!!

【キーワードは2ソース間の" 残響 "と" 距離 "】

当然ですが、Recorder 1と2とでは録音した人物も違えば録音した位置も異なります。残念ながら正確な録音位置は不明ですが、ただフロイドのライブはクアドロフォニック効果を出す為に会場の前方と後方、そして左右にもスピーカーがあるので2ソースをデジタル上にミリ秒単位で同期させると同じシーンの同じ音が強弱の違うディレイで出ているのが確認出来ます。これが何を意味するかと言えば、その違いからおおよその録音位置が掴めるのです。例えば「Brain Damage」の歌詞"♪ ...The lunatic is in my head "のところで出てくる笑い声は会場後方のバックスピーカーからメインの音( =笑い声 )が出ていた事が判明しているため、その笑い声が近い
なら会場後方、あまり近くないなら会場中央〜前方に録音機があった事になりますし、更にその笑い声が左右どちらのチャンネルから強めに出ているかでも、L/Rのステレオ録音なら左右の位置も大体掴める訳です。同様に「Time」の時計の海、「Money」のレジスター音といった左/右に孤立したサラウンド効果の残響を比べても、ステレオ録音であればソース単体ではなかなか気付けないレコーダーがあった場所がおおよそ特定出来たりします。

これに鑑みて各ソースの音を聴くとRecorder 1はほぼ間違いなく会場後方、Recorder 2は会場中央〜前寄りの右側フロントスピーカーに近い位置から録っている事がおぼろげに見えてくるのですが、ここで重要なのはこの2ソースの録音位置がそうして離れている点でしょう。つまりこれをデジタル上で仮想結合、すなわちマトリックスさせると2ソースの収録位置に適度な距離があるため会場360度をバランス良くプレゼンテーションするワイドな音像が出来る訳です。よくある2ソース・マトリックスでも両ソースが似た様な位置から録音したものをマトリックスさせてもさほど大きな効果は得られませんし、昨今のIEM(イン・イヤー・モニター)録音にしてもゼロ距離の実音と客席録音との距離のブレンドこそがリアルな音像を生む訳で、この72年チューリッヒの2ソースもお互いに適度な距離があるステレオ録音だからこそマトリックス効果が絶大な訳です。フロイドの非公式音源にも2ソース以上の同日録音が残るケースはしばしばありますが、何故この72年チューリッヒの2ソースがマトリックスに選ばれたのかもこれが理由でしょう。ましてやフロイドの様に全方位から音が向かってくるものであれば、そうして仮想結合されたサウンドのワイド感・立体感がどの様な未知の興奮を運んでくれるのか、容易に御想像戴けるのではないでしょうか。

【プレゼンテーションの忠実性と完全性】

・・ところでフロイドで屈指のマトリックス・タイトルと言えば、あのスティーヴ・ホプキンスとダン・ランピンスキという70年代を代表する録音の巨人がそれぞれ録音した同日ソースをマトリックスした75年ボストン公演『RAVE MASTER MATRIX (Sigma 79)』を想起される方も多いかと思います。実は本作・72年チューリッヒのマトリックス版はその『RAVE MASTER MATRIX』のマトリックス制作をした同じ人物が制作したもので、その仕上がりはあの傑出盤と同レベルの作業を堪能出来る事も見逃せません。

ただネット公開された原音は音圧が過剰に大きくラウド過ぎる印象があり、また何故かRecorder 2にヒスノイズが多発しているのに何も補修していないなど、サウンドの質としては若干問題が残るのも事実でした。加えて幾つかの箇所では聴いて直ぐに分かるほどのピッチの狂いも未調整のまま残っており、マトリックス作業自体が極めて優秀な反面そうした細かい欠点が余計に目立つぎこちない内容だったのです。そこで当レーベルはこれらの弱点を最新音響ソフトで入念に補正、原音の強過ぎる音圧を威力を損なわない最適レベルに再調整し、ノイズの大幅な軽減も実現させる最新リマスターを敢行しました。またピッチも小節ごとに厳しくチェック補整した事で各曲が正しい旋律で再生されるようになったなど、公開原音を凌駕し精度極まるマトリックス・サウンドを結実させたのです。それが本最新作、72年チューリッヒ究極の音質・音像を誇るプレス盤2枚組なのです!!!

【特上のリマスター・マトリックス : その検証】

そのマトリックス感はディスクスタートから圧倒的。調整されベストな音圧で拡がるサウンドの伸びが、公開原音を超える透明度とワイドな音像で甦っているのです。導入「Speak To Me」からして現場に生々しく漂う臨場感がグッと増しているのが分かりますが、ここから「Breathe」が立ち上がる時の、低音域から突き抜けるマトリックス高解像音には誰もが言葉を失うでしょう。その圧倒的なサウンドの放射力は「On The Run」で更に高まり、ドラムの一打一打のレスポンスが更に鋭くなった打音、エレキピアノの近さと旋律のアタック感にも明確に現われています。「Time」ではギルモアとライトのハーモニーが一層生々しい生声の交差として現われる様になり、主旋律以上に跳ね回って歌うベースにも釘付けになること確実でしょう。曲冒頭で現われる" 時計の海 "の立体感も抜群ですし、「The Great Gig In The Sky」に至ってはもう2チャンネルながら殆どサラウンド環境に居る様な感覚にすらなる筈です。「Money」では研ぎ澄まされた実音が幾つもぶつかってくる興奮に身を焦がされるでしょう。厚みのある深い響きが更に深いところまで届く様になった事で「Us And Them」にも美しい陰影が備わり、後半で入るオルガンの音色も単一ソースで聴く響きとは奥行きとスケール感が全く違っている事に気付かれると思います。そして「Eclipse」で体験出来るその全方位へ伸びる音の拡がりと量感も、音圧強めでピーキーな印象を放っていた公開原音を一蹴するSigmaならではの高品質な仕上がりが実現しています。

「One Of These Days」もゴリゴリした肉厚の音触と立体感が素晴らしいですが、驚くのはマトリックスされサウンドの芯が太くなっても音が濁らず、数ランク上の鋭さを獲得している点でしょう。「Careful With That Axe, Eugene」もロジャーによる詩の朗読の様な囁きが更に濃密な音像で拡がり、言葉と演奏で進行するイメージの流動がネクストレベルの音体験で掴める様になりましたが、これは既発盤の単一ソースで聴き馴染んでいればこそその違いに驚嘆されるに違いありません。「Echoes」もその音響芸術がひと際冴えたサウンドで出る様になり、2ソースの融合によって量感と瞬発力に優れた陶酔のサウンドが実現しています。特に中音域の幅が伸びて拡がっている姿が印象的ですが、御注目戴きたいのは鳴き声のシーンに移行してゆく際の静音部分の厚みで、音が微かなシーンでもこれだけの立体的な量感を備えている点は特筆されるでしょう。揺れていたピッチも修正され、正しい姿で聴ける点も本作のアドヴァンテージです。これの終曲後、約1分45秒間ほどのサウンド・チェックをしてから始まる「Childhood's End」は現存するソースが1つ。つまりこの曲のみRecorder 2単体でマトリックスではありませんが、重心が低く粘っこいあのリズムが注意深く施された2018年最新デジタル・リマスターで甦っており、そのスケール感溢れるサウンドにも是非御注目戴きたいと思います。

それぞれの単一ソース原音でも素晴らしい姿で残っているフロイド72年のチューリッヒ。公開原音マトリックスが抱えていた弱点を全補完する事でこれを更に高い次元に引き上げ、Sigmaレーベルならではの精緻なサウンド・プレゼンテーションを提供するのが本盤の狙いでしたが、その目論見を超えるほどの高い完成度でこの日の演奏が耳に届く凄まじいマトリックス・タイトルになっています。単なるアッパー感だけでは済まさない、+αを備えたこのダイナミックなサウンドの向上感と音像の整合感を今週末、是非お試し下さい!!

★ナンバリング入りステッカー付でのリリースとなります。

Disc 1 (49:12)
Dark Side Of The Moon
1. Speak To Me 2. Breathe 3. On The Run 4. Time 5. Breathe(Reprise) 6. The Great Gig In The Sky
7. Money 8. Us And Them 9. Any Colour You Like 10. Brain Damage 11. Eclipse

Disc 2 (59:17)
1. One Of These Days 2. Careful With That Axe, Eugene 3. Echoes 4. Childhood's End