【キニー】DAVID GILMOUR - UNIVERSAL CITY 1984 2ND NIGHT(2CD) [Sigma 238]

【キニー】DAVID GILMOUR - UNIVERSAL CITY 1984 2ND NIGHT(2CD) [Sigma 238]

販売価格: 3,800円(税込)

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商品詳細

★ギフト・タイトル(一部レーベル限定)の対象品です。

Live at Universal Amphitheatre, Universal City, CA, USA 22nd June 1984 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)

 FLOYDコレクター泣かせの秘境とも言われるギルモアの“ABOUT FACE TOUR”。その全貌を体験できる名門キニーのオリジナル・マスターが新発掘です。

【ロジャー篇と姉妹を成す対決録音】
 そんな本作に記録されていたのは「1984年6月22日:ユニバーサルシティ公演」。その極上オーディエンス録音です。現在、当店ではロジャー・ウォーターズのライヴアルバム『EARLS COURT 1984 1ST NIGHT(Sigma 236)』が大好評となっておりますが、本作はその姉妹編となるもの。同じ1984年の初ソロツアーというだけでなく、この日はロジャー篇の翌日にあたり、同様に名門キニーによるオリジナル録音なのです。しかも、この録音は最初から姉妹作となるべくして生まれた。実は、この録音は2曲分だけ公開されたことがあり、アナログ時代の名盤『MONEY(XL-1590)』に収録されていました。このLPは、『EARLS COURT 1984 1ST NIGHT』の元になったロジャー録音と本作の元になったギルモア録音のカップリング。副題に「Waters Vs Gilmour」とまで題され、初ソロ対決を記録すべく、名門が英米での(ほぼ)同時録音に挑んだのです。
 当時がいかにダイレクトな対決だったのか。2人のツアー日程を融合させ、ショウのポジションを確かめてみましょう。

・DG:3月31日-5月1日:欧州(22公演)
・DG:5月9日-6月15日:北米(30公演)
・DG&RW:6月16日-7月6日:(DG北米13公演/RW欧州9公演)←★ココ★
・DG:7月8日-16日:北米(7公演)
・RW:7月17日-31日:北米(10公演)
※注:「DG」がギルモアの“ABOUT FACE TOUR”、「RW」がロジャーの“THE PROS AND CONS OF HITCH HIKING TOUR”スケジュール。

 これが2人の初ソロツアーの全体像。一足先に『ABOUT FACE』を発売したギルモアは春先からツアーを開始。そのメインは初夏の北米ツアーでした。どこまで意識的かは不明なものの、ロジャーはギルモアの北米ツアーに合わせるようにして欧州ツアーを開始し、約3週間にわたって大洋を挟んで2つのツアーが同時進行したのです。本作のユニバーサルシティ公演は、その対決3週間13公演のうち5公演目にあたるコンサート(ちなみにロジャー側は4公演目)でした。

【“ABOUT FACE TOUR”の全景を伝える決定盤】
 そんなショウを記録した本作もまた、目も醒めるような名門キニーのマジカル・サウンド。オープニングの「Until We Sleep」でゴソゴソとした接触音がして一瞬不安になります(そのせいでフルLP化しなかった!?)が、それも1秒ほどの音が3回くらいで安定。そこから広がるのは、これまでのキニー・コレクションと同様に美麗でクリア、そしてその中でも飛び抜けてオンなサウンド。現場の熱狂もリアルなオーディエンス録音には違いないのですが、その空気感がクリスタル・クリアに透き通っており、ド真ん中を突き抜けてくる芯にもほとんど距離を感じない。客録では弱みになりがちな低音もクッキリとしていて、ベースはアタック音も鋭ければ、その後に続く鳴りもヴァイヴまで鮮明。キーボードもキラキラとした輝きで降り注いでくるのです。
 そして、何と言っても肝心要のヴォーカルとギター。歌声は歌詞の1語1語までハッキリと分かりますし、ギターはささやかなカッティングのニュアンスも克明なら弾きまくっても決してビビらない安定感。チョーキングの上げ幅まで目に浮かぶほど細やかなまま、耳元に飛び込んでくるのです。サックスなどで「もう少しホール鳴りがあったら艶っぽかったかも」と思ってしまうほど、客録離れしたクッキリ&ハッキリな超クリア・サウンドなのです。
 そんなサウンドで描かれるのは、これまでなかなかフルでは聴けなかった“ABOUT FACE TOUR”の全景。このツアーと言えば、公式映像(当店の『IN CONCERT 1984』でお楽しみ頂けます)やアレンタウン公演のFM放送もあったりしますが、いずれも(かなり)不完全。ここではオフィシャル映像と比較しながらセットを整理してみましょう。

●PINK FLOYD(3曲)
・狂気:Money(★)
・ザ・ウォール:Run Like Hell/Comfortably Numb
●ソロ(12曲)
・DAVID GILMOUR:Mihalis(★)/Short And Sweet
・ABOUT FACE:Until We Sleep/All Lovers Are Deranged/Love On The Air(★)/Cruise(★)/Out Of The Blue/Let's Get Metaphysical(★)/You Know I'm Right(★)/Blue Light/Murder/Near The End(★)
※注:「★」印はIN CONCERT 1984で聴けない曲。

……と、このようになっています。本作では全15曲が演奏されるわけですが、その約半分となる7曲が『IN CONCERT 1984』では聴けないナンバーなのです。そして、その軸になっているのは、もちろん『ABOUT FACE』。ロジャーと違ってコンセプト・アルバムではないので曲順は異なりますが、全10曲を大盤振る舞いしている。先ほどアレンタウン公演のFM放送にも触れましたが、「Mihalis」「Cruise」「Let's Get Metaphysical」「Near The End」あたりはそこでも聴けないレパートリーなのです。
 そして、そのセットを綴る演奏こそが素晴らしい。物語や世界を頭脳で再構築しようとするロジャーに対して、ギルモアはただひたすら心に染みる旋律と身体を突き動かすビートが心地よい。その歌声は暖かくも情感たっぷりで、ギターは躍動的に刻まれ、無心に泣く。『ABOUT FACE』にはこんなに良い曲、良いメロディが詰まっていたのかと改めて思い知らされるほど。後の『鬱』『対』でロジャーのソロを凌駕する大成功を収めるわけですが、それが決して金看板だけの力ではなかったと証明するようなフルショウなのです。

 公式映像かFM放送以外にハイクオリティな記録がなかなかなく、秘境とまで言われてきた“ABOUT FACE TOUR”。その全景を名門キニーのクリスタル・サウンドでフル体験できてしまうライヴアルバムの大傑作です。しかも、ロジャーの『EARLS COURT 1984 1ST NIGHT』と合わせれば、2人のソロ対決まで楽しめてしまう。これもまた、音源マニアだけに許された贅沢すぎる愉しみなのです。
 “考”のロジャーと“情”のギルモア。その際立つ個性をキニーのクリア・サウンドでフル体験できる。本作だけでもズバ抜けた“ABOUT FACE TOUR”の代表作に間違いありませんが、現場から35年にしてやっと巡ってきたチャンスを逃す手はありません。ぜひ、永久保存プレス2CD同士の姉妹作でご堪能ください。


DISC 1(70:33)

1. Until We Sleep
2. All Lovers Are Deranged
3. Love On The Air
4. Mihalis
5. Cruise
6. Short And Sweet
7. Money
8. Out Of The Blue
9. Let's Get Metaphysical


DISC 2(64:56)
1. MC
2. You Know I'm Right
3. Run Like Hell
4. Blue Light
5. Band Introduction
6. Murder
7. Near The End
8. Comfortably Numb

David Gilmour - Guitars, Vocals Mick Ralphs - Guitars, Vocals Mickey Feat - Bass, Vocals
Raff Ravenscroft - Saxophones, Flute Gregg Dechart - Keyboards, Vocals Chris Slade - Drums
Jodi Linscott - Percussion