ERIC CLAPTON - SHIZUOKA 1975 REVISITED(2CD) [Tricone 271/272]
ERIC CLAPTON - SHIZUOKA 1975 REVISITED(2CD)
[Tricone 271/272]

販売価格: 3,800円(税込)
商品詳細
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★ギフト・タイトル(一部レーベル限定)の対象品です。
Sunpu Kaikan, Shizuoka, Japan 29th October 1975 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)
★UPGRADE
【75年静岡公演の優良マスターがグレードアップで再登場!】
ギフトアイテムから2015年にプレスCDにグレードアップし、その優秀な内容から短期間で完売となった、1975年10月29日の静岡、駿府会館公演を完全収録したタイトル「SHIZUOKA 1975」が大元の音源に立ち返り、このたびGraf Zeppelinによるリマスターで10年ぶりにさらにグレードアップして再登場します!
唯一現存するこの日の公演を収録したソースと同一の、非常に良好で広がりのあるモノラル・オーディエンス録音ソースからの収録ですが、今回のソースは、そのマスター・カセットからダビングされたマスターを使用している上にGraf Zeppelinによって僅かに存在した欠点も修正補正しています。本マスターの方が、開演前と終演後の歓声が長く収録され、逆にアンコール前の歓声が短く収録されている事からも、マスターからダビングされた別のソースを使用している事が判りますが、中低音と高音を増幅させた既発盤と比較すると、全編がナチュラルな音質で収録されており、既発盤に見られた、全体に亘り右寄りだった位相ズレも修正、所々で散見された片チャンネルの一瞬の音切れやBlues Power1:50台からの右チャンネル及びBadge6:04付近からの左チャンネルの音量ダウンなどを適宜修正していますので、過去最高に聴きやすいグレードアップバージョンとなっています。
何と言ってもこの年のジャパンツアーの売りの一つは、各公演で独自にレアなブルースをプレイしたことです。23日の大阪公演2日目のAs The Years Go Passing By(アルバート・キングのナンバー)も激レアでしたが、この静岡公演では、クラプトンのライブ史上この時しかプレイしていないSo Many Roads(オーティス・ラッシュのナンバー)がプレイされたことが特筆すべきトピックでした。こうしたことに象徴されるように、この年のジャパンツアーは全公演セットリストが異なっていたという魅力的なツアーだったのです。コンサートの内容、クオリティの高さと音質の素晴らしさで、75年ジャパンツアーの代表的音源の一つと評価されるマスターを過去最高バージョンで収録した本作を改めてお楽しみください。
【前年の汚名を晴らし、クラプトンのステイタスを日本ロック史に刻み込んだ公演の真実】
初来日となった前年74年の公演は、ドラッグ中毒からの病み上がり状態でツアーを乗り切るために、酒に酔って敢行したツアーゆえに誤解を生み、誤った評価を受けるものとなりました(クラプトンはあまりソロを弾かず、セカンドギターのジョージ・テリーに任せていた、というものですが、実は後年出現した音源を聴くと、クラプトンはかなり弾いていたのですね)。その評価をクラプトン自身が知っていたとは思えませんが、まだ酒を浴びるように飲んでいた時期にもかかわらず、再度日本の地を踏んだクラプトンの姿は精悍そのものでした。前年に奇跡の初来日を果たし、同年の音楽誌ミュージックライフの人気投票では、ギタリスト部門でナンバーワンに輝いたという大人気の中で行なわれた再来日公演でもありました。静岡のファンも、「あのクラプトンが静岡に来てくれる!初めて訪れる地でやる気満々のはず!」との期待を抱き、待ち受けました。今日に至るクラプトンの日本での大人気はこの年のツアーがきっかけだったと言っても過言ではないでしょう。彼はここで真の復活を遂げたのです。
ではここで75年のクラプトンの活動を振り返っておきましょう。(* 「-」は当店の既発タイトル)
≪1975年4月1日:アルバム「THERE'S ONE IN EVERY CROWD」リリース≫
・1975年4月7日〜28日:オセアニア・ツアー
・1975年6月14日〜8月30日:全米ツアー
・1975年9月 オフ
・1975年10月〜11月:二度目のジャパン・ツアー
1975年10月22日-大阪フェスティバルホール ←「Osaka 1975 1st Night(4CD)」
1975年10月23日-大阪フェスティバルホール ←「Osaka 1975 2nd Night(2CD)」
1975年10月24日-京都会館第一ホール
1975年10月27日-北九州市総合体育館
1975年10月29日-静岡県駿府会館 ←★【本作】★「SHIZUOKA 1975」
1975年11月1日-日本武道館 ←「BUDOKAN 1975 1ST NIGHT: Unreleased Master(2CD)」、「Budokan 1975 1st Night(2CD)」
1975年11月2日-日本武道館 ←「Lord Have Mercy(2CD)」
これをご覧いただくと、ツアーに明け暮れた一年だったことがお分かりいただけると思いますが、前年同様、一大マーケットであるアメリカン・ツアーの後にジャパン・ツアーを組んでくれていたことが分かります。それだけ日本を重視していたわけです。恐らくこの日のクラプトンのルックスは、肩まで伸びた、少しパーマがかった長髪。髭はうっすらで、男前がよく判る顔立ち。スリムな体躯によくジーンズが似合う長い脚。ジャパン・ツアーに向けたバハマでのリハーサル前に友人からプレゼントされたという新品のブロンドフィニッシュ・フェンダー・テレキャスターを抱えて登場した姿は、まさに天が二物を与えたスーパースターでした。
【名曲Laylaで始まった驚きのステージ!弾き捲りのセットリスト!当日の駿府会館にタイムスリップ!】
驚くべきは、オープニングにLaylaを持ってきたセットリストでした。前年が静かなアコースティックナンバーで始まった公演だっただけに、オーディエンスの興奮度には凄まじいものがあります。そのくらいオープニングの衝撃度は高かったということでしょう。そして2曲目でジミヘンの名曲Little Wingをプレイ。静岡公演ならではの、このドミノスナンバー連発には会場のオーディエンスは感動したことでしょう。冒頭のこれら2曲、非常に雄大なイメージの演奏です。特にLittle Wingは、この時のバンドのポテンシャルが最大限に発揮されたパフォーマンスです。
以降もクラプトンは全編に亘り、当時新品で購入したブロンドフィニッシュのテレキャスターを使用。ややファットで艶やかなトーンでロングトーンを駆使し、伸びやかでレイドバックしたプレイでスケール感を表現しています。トピックとなったスローブルースSo Many Roadsでは、たっぷりじっくりとクラプトンのブルースギターが堪能できます。「人生にはたくさんの道がある、乗って行く列車もいろいろさ」と、まさにクラプトンがギターで語りかけているようなプレイです。それでいて、ここで聴かれるクラプトンのプレイは非常にアグレッシヴ。凄いフレーズ連発です。日本公演における名演の一つと言ってもいいのではないでしょうか。続くBadgeの前には珍しくクラプトンが「バッジャ!バッジャ!」と曲名紹介をしているのが面白いです。中間では、クラプトンはワウワウも駆使しての超ロングソロを披露。スーパーギタリスト、ここにあり、です。この曲、通常ですとブリッジのアルペジオパートを二回繰り返して展開していくのですが、何とこの日はここでセルジオ・ロドリゲスのパーカッションソロとジェイミー・オールデイカーのドラムソロが延々と挿まれ、14分に及ぶ怒涛のパフォーマンスとなっています。非常にレアなライブテイクです。それが明けてからのセカンドソロもクラプトンがグイグイプレイ。最後はジョージ・テリーとのツインリード構成で盛り上げます。非常に聴きごたえがあります。
レギュラーセットの締めとなったTell The Truthも実にグルーヴィーな演奏。後奏のソロは専らジョージ・テリーのスライドプレイに委ねています。クラプトンとすれば、Badgeでリズム隊に華を持たせたので、ここではテリーに華を持たせてやろうという心配りだったのかもしれません。それほどクラプトンにとって、このバンドは結束が固かったという証でしょう。こうしてみると、セットの曲数は少ないのに、1曲1曲が長尺でじっくりと、それでいて白熱の演奏が展開されています。当日ここに居合わせたファンは至福の喜びだったことでしょう。女性ボーカルのイヴォンヌ・エリマンとマーシー・レヴィ(この頃のクラプトンは「リーヴィー」と紹介していました)二人がフィーチュアされた際にもオーディエンスは大盛り上がり。Can't Find My Way Homeでエリマンはクラプトンのブラッキー・ストラトを借りてプレイしています(曲前にはジミヘンのPurple Hazeのイントロを奏でているのも一興)。一旦ステージから下がったクラプトンは、最終のコーラスパートで再登場。コーラスを付けるという珍しい場面も聴くことができます。レヴィは曲前に「モシモシ!」と日本語で呼びかけていますが、どこかで日本人が電話する様を目撃して、「もしもし」が日本人の一般的な挨拶だと勘違いしたようです。これも面白い。
アンコールでは、当時日本でも公開されたザ・フーの映画『TOMMY』の出演シーンで歌ったEyesight To The Blindをプレイ。このナンバーは、ツアー前半の地方公演ではセットにはなかったナンバーでした。そしてメドレーで演奏されたのは、何とこの時点ではまだ正式なレコーディングも完了していなかったナンバーCarnivalでした(後にアルバム「NO REASON TO CRY」に収録)!大阪初日公演でもこのナンバーは披露していましたが、このメドレーが聴けるのは、この静岡公演だけです。しかも後のスタジオバージョンにはなかったクラプトンのソロ入りです。ステージ全編を前年にはなかった、すべてエレクトリックで構成したセットリスト。酔っ払ってのぐだぐだおチャラケMCは一切なし。ギターを弾き捲るクラプトン本来の姿がここにあります。75年のツアーが人気があるのは、これが理由の一つでしょう。
50年前=半世紀も前の二度目の来日、人気のピークを誇った時期の30歳のクラプトン、そんな彼を大歓迎したオーディエンス、それに応えてキレ捲りのプレイを披露したクラプトン。クラプトンのキャリア全体の中でも“特別”の輝きに満ちた静岡公演。どうぞ本作で、あの、熱に浮かされたような1975年の一夜を体験してみてください。
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REMASTERED BY GRAF ZEPPELIN
★非常に良好なモノラルAud録音。
全体にわたり右寄りだった位相ズレの修正、所々で散見された片chの一瞬の音切れ、Blues Power1:50台からの右chおよびBadge6:04付近からの左chのそれぞれ音量ダウンなどを適宜修正
★マスターテープ段階で、十分音は良いのでEQ調整の必要もなく殆どしてません。
★ナンバリング入りステッカー付でのリリースとなります。
Disc 1(41:01)
1. Intro.
2. Layla
3. Little Wing
4. Blues Power
5. Can't Find My Way Home
Disc 2(69:05)
1. So Many Roads
2. Badge
3. The Sun Is Shining
4. Tell The Truth
5. Eyesight To The Blind
6. Carnival
Eric Clapton - Guitar, Vocals
George Terry - Guitar
Carl Radle - Bass
Dick Sims - Keyboards
Jamie Oldaker - Drums
Sergio Rodriguez - Percussion
Yvonne Elliman - Backing Vocals
Marcy Levy - Backing Vocals
★ギフト・タイトル(一部レーベル限定)の対象品です。
Sunpu Kaikan, Shizuoka, Japan 29th October 1975 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)
★UPGRADE
【75年静岡公演の優良マスターがグレードアップで再登場!】
ギフトアイテムから2015年にプレスCDにグレードアップし、その優秀な内容から短期間で完売となった、1975年10月29日の静岡、駿府会館公演を完全収録したタイトル「SHIZUOKA 1975」が大元の音源に立ち返り、このたびGraf Zeppelinによるリマスターで10年ぶりにさらにグレードアップして再登場します!
唯一現存するこの日の公演を収録したソースと同一の、非常に良好で広がりのあるモノラル・オーディエンス録音ソースからの収録ですが、今回のソースは、そのマスター・カセットからダビングされたマスターを使用している上にGraf Zeppelinによって僅かに存在した欠点も修正補正しています。本マスターの方が、開演前と終演後の歓声が長く収録され、逆にアンコール前の歓声が短く収録されている事からも、マスターからダビングされた別のソースを使用している事が判りますが、中低音と高音を増幅させた既発盤と比較すると、全編がナチュラルな音質で収録されており、既発盤に見られた、全体に亘り右寄りだった位相ズレも修正、所々で散見された片チャンネルの一瞬の音切れやBlues Power1:50台からの右チャンネル及びBadge6:04付近からの左チャンネルの音量ダウンなどを適宜修正していますので、過去最高に聴きやすいグレードアップバージョンとなっています。
何と言ってもこの年のジャパンツアーの売りの一つは、各公演で独自にレアなブルースをプレイしたことです。23日の大阪公演2日目のAs The Years Go Passing By(アルバート・キングのナンバー)も激レアでしたが、この静岡公演では、クラプトンのライブ史上この時しかプレイしていないSo Many Roads(オーティス・ラッシュのナンバー)がプレイされたことが特筆すべきトピックでした。こうしたことに象徴されるように、この年のジャパンツアーは全公演セットリストが異なっていたという魅力的なツアーだったのです。コンサートの内容、クオリティの高さと音質の素晴らしさで、75年ジャパンツアーの代表的音源の一つと評価されるマスターを過去最高バージョンで収録した本作を改めてお楽しみください。
【前年の汚名を晴らし、クラプトンのステイタスを日本ロック史に刻み込んだ公演の真実】
初来日となった前年74年の公演は、ドラッグ中毒からの病み上がり状態でツアーを乗り切るために、酒に酔って敢行したツアーゆえに誤解を生み、誤った評価を受けるものとなりました(クラプトンはあまりソロを弾かず、セカンドギターのジョージ・テリーに任せていた、というものですが、実は後年出現した音源を聴くと、クラプトンはかなり弾いていたのですね)。その評価をクラプトン自身が知っていたとは思えませんが、まだ酒を浴びるように飲んでいた時期にもかかわらず、再度日本の地を踏んだクラプトンの姿は精悍そのものでした。前年に奇跡の初来日を果たし、同年の音楽誌ミュージックライフの人気投票では、ギタリスト部門でナンバーワンに輝いたという大人気の中で行なわれた再来日公演でもありました。静岡のファンも、「あのクラプトンが静岡に来てくれる!初めて訪れる地でやる気満々のはず!」との期待を抱き、待ち受けました。今日に至るクラプトンの日本での大人気はこの年のツアーがきっかけだったと言っても過言ではないでしょう。彼はここで真の復活を遂げたのです。
ではここで75年のクラプトンの活動を振り返っておきましょう。(* 「-」は当店の既発タイトル)
≪1975年4月1日:アルバム「THERE'S ONE IN EVERY CROWD」リリース≫
・1975年4月7日〜28日:オセアニア・ツアー
・1975年6月14日〜8月30日:全米ツアー
・1975年9月 オフ
・1975年10月〜11月:二度目のジャパン・ツアー
1975年10月22日-大阪フェスティバルホール ←「Osaka 1975 1st Night(4CD)」
1975年10月23日-大阪フェスティバルホール ←「Osaka 1975 2nd Night(2CD)」
1975年10月24日-京都会館第一ホール
1975年10月27日-北九州市総合体育館
1975年10月29日-静岡県駿府会館 ←★【本作】★「SHIZUOKA 1975」
1975年11月1日-日本武道館 ←「BUDOKAN 1975 1ST NIGHT: Unreleased Master(2CD)」、「Budokan 1975 1st Night(2CD)」
1975年11月2日-日本武道館 ←「Lord Have Mercy(2CD)」
これをご覧いただくと、ツアーに明け暮れた一年だったことがお分かりいただけると思いますが、前年同様、一大マーケットであるアメリカン・ツアーの後にジャパン・ツアーを組んでくれていたことが分かります。それだけ日本を重視していたわけです。恐らくこの日のクラプトンのルックスは、肩まで伸びた、少しパーマがかった長髪。髭はうっすらで、男前がよく判る顔立ち。スリムな体躯によくジーンズが似合う長い脚。ジャパン・ツアーに向けたバハマでのリハーサル前に友人からプレゼントされたという新品のブロンドフィニッシュ・フェンダー・テレキャスターを抱えて登場した姿は、まさに天が二物を与えたスーパースターでした。
【名曲Laylaで始まった驚きのステージ!弾き捲りのセットリスト!当日の駿府会館にタイムスリップ!】
驚くべきは、オープニングにLaylaを持ってきたセットリストでした。前年が静かなアコースティックナンバーで始まった公演だっただけに、オーディエンスの興奮度には凄まじいものがあります。そのくらいオープニングの衝撃度は高かったということでしょう。そして2曲目でジミヘンの名曲Little Wingをプレイ。静岡公演ならではの、このドミノスナンバー連発には会場のオーディエンスは感動したことでしょう。冒頭のこれら2曲、非常に雄大なイメージの演奏です。特にLittle Wingは、この時のバンドのポテンシャルが最大限に発揮されたパフォーマンスです。
以降もクラプトンは全編に亘り、当時新品で購入したブロンドフィニッシュのテレキャスターを使用。ややファットで艶やかなトーンでロングトーンを駆使し、伸びやかでレイドバックしたプレイでスケール感を表現しています。トピックとなったスローブルースSo Many Roadsでは、たっぷりじっくりとクラプトンのブルースギターが堪能できます。「人生にはたくさんの道がある、乗って行く列車もいろいろさ」と、まさにクラプトンがギターで語りかけているようなプレイです。それでいて、ここで聴かれるクラプトンのプレイは非常にアグレッシヴ。凄いフレーズ連発です。日本公演における名演の一つと言ってもいいのではないでしょうか。続くBadgeの前には珍しくクラプトンが「バッジャ!バッジャ!」と曲名紹介をしているのが面白いです。中間では、クラプトンはワウワウも駆使しての超ロングソロを披露。スーパーギタリスト、ここにあり、です。この曲、通常ですとブリッジのアルペジオパートを二回繰り返して展開していくのですが、何とこの日はここでセルジオ・ロドリゲスのパーカッションソロとジェイミー・オールデイカーのドラムソロが延々と挿まれ、14分に及ぶ怒涛のパフォーマンスとなっています。非常にレアなライブテイクです。それが明けてからのセカンドソロもクラプトンがグイグイプレイ。最後はジョージ・テリーとのツインリード構成で盛り上げます。非常に聴きごたえがあります。
レギュラーセットの締めとなったTell The Truthも実にグルーヴィーな演奏。後奏のソロは専らジョージ・テリーのスライドプレイに委ねています。クラプトンとすれば、Badgeでリズム隊に華を持たせたので、ここではテリーに華を持たせてやろうという心配りだったのかもしれません。それほどクラプトンにとって、このバンドは結束が固かったという証でしょう。こうしてみると、セットの曲数は少ないのに、1曲1曲が長尺でじっくりと、それでいて白熱の演奏が展開されています。当日ここに居合わせたファンは至福の喜びだったことでしょう。女性ボーカルのイヴォンヌ・エリマンとマーシー・レヴィ(この頃のクラプトンは「リーヴィー」と紹介していました)二人がフィーチュアされた際にもオーディエンスは大盛り上がり。Can't Find My Way Homeでエリマンはクラプトンのブラッキー・ストラトを借りてプレイしています(曲前にはジミヘンのPurple Hazeのイントロを奏でているのも一興)。一旦ステージから下がったクラプトンは、最終のコーラスパートで再登場。コーラスを付けるという珍しい場面も聴くことができます。レヴィは曲前に「モシモシ!」と日本語で呼びかけていますが、どこかで日本人が電話する様を目撃して、「もしもし」が日本人の一般的な挨拶だと勘違いしたようです。これも面白い。
アンコールでは、当時日本でも公開されたザ・フーの映画『TOMMY』の出演シーンで歌ったEyesight To The Blindをプレイ。このナンバーは、ツアー前半の地方公演ではセットにはなかったナンバーでした。そしてメドレーで演奏されたのは、何とこの時点ではまだ正式なレコーディングも完了していなかったナンバーCarnivalでした(後にアルバム「NO REASON TO CRY」に収録)!大阪初日公演でもこのナンバーは披露していましたが、このメドレーが聴けるのは、この静岡公演だけです。しかも後のスタジオバージョンにはなかったクラプトンのソロ入りです。ステージ全編を前年にはなかった、すべてエレクトリックで構成したセットリスト。酔っ払ってのぐだぐだおチャラケMCは一切なし。ギターを弾き捲るクラプトン本来の姿がここにあります。75年のツアーが人気があるのは、これが理由の一つでしょう。
50年前=半世紀も前の二度目の来日、人気のピークを誇った時期の30歳のクラプトン、そんな彼を大歓迎したオーディエンス、それに応えてキレ捲りのプレイを披露したクラプトン。クラプトンのキャリア全体の中でも“特別”の輝きに満ちた静岡公演。どうぞ本作で、あの、熱に浮かされたような1975年の一夜を体験してみてください。
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REMASTERED BY GRAF ZEPPELIN
★非常に良好なモノラルAud録音。
全体にわたり右寄りだった位相ズレの修正、所々で散見された片chの一瞬の音切れ、Blues Power1:50台からの右chおよびBadge6:04付近からの左chのそれぞれ音量ダウンなどを適宜修正
★マスターテープ段階で、十分音は良いのでEQ調整の必要もなく殆どしてません。
★ナンバリング入りステッカー付でのリリースとなります。
Disc 1(41:01)
1. Intro.
2. Layla
3. Little Wing
4. Blues Power
5. Can't Find My Way Home
Disc 2(69:05)
1. So Many Roads
2. Badge
3. The Sun Is Shining
4. Tell The Truth
5. Eyesight To The Blind
6. Carnival
Eric Clapton - Guitar, Vocals
George Terry - Guitar
Carl Radle - Bass
Dick Sims - Keyboards
Jamie Oldaker - Drums
Sergio Rodriguez - Percussion
Yvonne Elliman - Backing Vocals
Marcy Levy - Backing Vocals