ERIC CLAPTON - TUCSON 1975 SOUNDBOARD MASTER(2CD) [Beano-318]

ERIC CLAPTON - TUCSON 1975 SOUNDBOARD MASTER(2CD) [Beano-318]

販売価格: 3,800(税込)

商品詳細

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Tucson Convention Center, Tucson, AZ, USA 17th August 1975 STEREO SBD

★UPGRADE!!!

【75年全米ツアーのサウンドボードマスターがフルコンサート形態で登場!】

 今週はイギリス在住の重鎮テーパーから提供されたサウンドボードマスターがリリースになります!1975年の全米ツアー・セカンドレッグ終盤、8月17日に行なわれたアリゾナ州ツーソン公演をステレオ・サウンドボード録音で完全収録したPAアウト音源です。分来感少ないですがステレオです。一番分離しているのがドラム全般です。広がりのあるクリアな音像で非常に聴きやすいものです。

 この音源には既発盤が存在しますが、このたび重鎮テーパーが提供してくれたのは、従来のサウンドボードマスターに忠実な、過度なイコライズを施していないリマスターバージョン。

 この流出音源に触れておきますと、初出は2002年にリリースされた、75年ツアーの不完全収録サウンドボードばかりをコンピレートした3CD「Solid Rockupation」(Watch Towerレーベル)でした。このCDにはこの日のレギュラーセットが収録され、アンコールは未収録でした。つまりこのPAアウトソースにはアンコールが収録されていなかったということです。さらに、制作者の意図でサウンドに迫力を出すため、音を太くすべく過度なイコライズが施されており、迫力は出たものの、逆にそれが災いして音が歪み気味になっていました。今回、重鎮テーパーが提供してくれたマスターは、大元のマスター本来のサウンドに戻し、完全収録を実現すべくアンコールを他公演のモノラル・サウンドボードで補填収録したものでした。サウンドについては初出の既発盤より若干痩せ気味ではありますが、歪んでおらずクリアなことが最大のメリットと言えます。

 アンコールに補填されたのは2曲。これはクラプトンのファンサイト「Where’s Eric!」のツアーアーカイヴデータにおいて、表記されていたこの日のセットリストに従ったものです。1曲目のTell The Truthは、同年7月11日のセントルイス公演のテイク、Eyesight To The Blindは、同年8月16日のサン・ディエゴ公演のテイクで、両曲ともレギュラーセットのツーソン公演と違和感なくハマっているサウンドボードソースです。

 そして本作ならではのメリットは、これまでピッチが速すぎるまま収録されていたEyesight To The Blindを本来の正常なピッチに当店エンジニアが修正して収録していることです。従来はクラプトンの声質まで変わってしまっているほどの速いピッチでしたが、本作にて本来の演奏スピードで聴いていただけるわけです。後に解説していますように、クラプトンの調子が非常に良く、セットリストも魅力的だった当公演ですから、未聴の方はもちろんのこと、既発盤をお持ちの方も改めて聴きこんでいただく価値があるのが本作です。

【Laylaで幕を開けた75年全米ツアー、サウンドボード録音の好盤!】

 ではまずここで、この公演がこの年のクラプトンの活動上どのような位置付けになっていたのか、75年のツアースケジュールをおさらいしてみましょう。

≪1975年4月1日:アルバム「THERE'S ONE IN EVERY CROWD」リリース≫
・1975年4月7日〜28日:オセアニア・ツアー 
・1975年6月14日〜8月30日:全米ツアー ←★ココ★
・1975年9月 オフ
・1975年10月〜11月:二度目のジャパン・ツアー

 ツアーに明け暮れた一年だったことがお判りいただけると思いますが、その中にあってもこの全米ツアーは2ヶ月半の長期に亘るメインイベントでした。ツアー名どおり、本来はリリースしたばかりのアルバム「THERE'S ONE IN EVERY CROWD」をプロモートする意味合いがあったわけですが、何とこの日のセットリストには、このアルバムからのナンバーはもはや1曲も組まれていないという、ある意味単にライブ好きのクラプトンらしい内容となっていました。アルバムのプロモーションというよりも、むしろセカンドレッグ開始前に緊急シングルリリースしたKnockin’ On Heaven’s Doorの方をプロモートしたかったかのではないかというような印象を受けます。前年のカムバックツアーでステージ復帰したことで、またライブがやりたくて仕方がないという勢いの下で行われたツアーのようにも感じられ、人気曲Laylaでいきなりアグレッシヴなプレイを畳み掛ける姿がそれを証明しています。2年続いてアメリカ全土を回ったわけですが、この年は前年のようなアコースティック・ナンバーは一切なし、さらに親友カルロス・サンタナをオープニング・アクトに指名したことでさらに気合が入ったツアーでした。

 2ヶ月半のツアーの終盤に当たったこの日の聴きどころは、本来のクラプトンらしいセットリストだと言えるでしょう。中でも注目は、この時点ではストーンズのメンバーを交えて6月にデモレコーディングしただけでまだ完成しておらず、翌年3月に正式レコーディングすることになる新曲Carnivalとこのツアーから取り上げることになったボビー・ブルー・ブランドの1957年のブルースFurther on Up the Roadがセットインしていたことです。前者には、正規スタジオバージョンではカットされたクラプトンのギターソロが含まれていますし、後者では、この後88年までの長きに亘ってセットのレギュラーとなったナンバーの最初期の姿を確認することができます。こうした常に新たな試みを実践していく姿勢が、カムバック以降のクラプトンのやる気を物語っています。さらに前年のカムバックアルバムで、全米ナンバーワンに輝いた『461 OCEAN BOULEVARD』からのナンバーはI Shot the SheriffとSteady Rollin' Man。アルバムよりもよりアグレッシヴなギターソロを盛り込んだパフォーマンスは、これぞクラプトンというイメージです。また、デレク・アンド・ザ・ドミノス時代のレパートリーを4曲も採用しているほか(特にアルバムどおりのエレクトリックバージョンで演奏されるNobody Knows You When You're Down and Outは貴重なテイクです)、クリーム時代2曲、ブラインド・フェイス時代1曲と、キャリアを俯瞰する代表曲を散りばめたセットリストからは、この時点での「クラプトンのすべて」を表現するような魅力に溢れています。

 何よりもLaylaがオープニングというインパクトがこのツアーの魅力でした。珍しいのは、後奏のソロをクラプトンがワウペダルを駆使して弾き切っていること。スムーズに、ワウならではの変化をつけながらの素晴らしいフレージングです。Nobody Knows You When You're Down and Outでのソロも安定しています。この2曲を聴けば、この日のクラプトンの好調ぶりが分かるというもの。Carnivalも、後の正規スタジオバージョンよりもはるかに迫力のある完成形となっています(やはりクラプトンのソロがあるのが魅力です)。Knockin' on Heaven's Doorも、当時はリリース直後でしたが、素晴らしいライブバージョンと化しています。Can't Find My Way Homeは、コーラスのイヴォンヌ・エリマンをフィーチャーしたナンバー。彼女はクラプトンのブラッキーストラトを借りてプレイし、クラプトンは一時ステージ袖に引っ込んでいますが、終盤のコーラス時にはステージに姿を見せ、手ぶらでコーラスをつけるという、珍しい光景が見られました。Further on Up the Roadもノリノリでこなし、しっとりとプレイするLittle Wingへ。ドミノス時代よりもオルガンがよりフィーチャーされ、ドラマ性を盛り上げる演奏がこれまた素晴らしいものです。ディスク2はいよいよクラプトンの真骨頂が味わえます。I Shot the Sheriff〜Badge〜Steady Rollin' Manという流れでのソロプレイは、彼らしい流麗でスリリングなもの。絶好調だったと分かります。 CrossroadsはSteady Rollin' Manからリズムをそのまま受け継いでのメドレーで演奏されていて、敢えてクリーム時代のイメージを払拭しているパフォーマンスですが、プレイは冴えてます。

 この日のアンコールはTell the TruthとEyesight to the Blindだったため、先述のとおり他公演から違和感なく補填して当日の流れを楽しんでいただけます。珍しく、どちらにもドラムソロが含まれた長尺のパフォーマンスがセレクトされていて、聴きごたえありです。当時オープニングアクトを務めたカルロス・サンタナがEyesight to the Blindに飛入り参加して、クラプトンとのギター競演を果たしています。このマスターでは、クラプトンのソロ〜サンタナ〜セカンドギタリストのジョージ・テリー〜ドラム&パーカッションソロを挿んで最後は三者のソロが入り乱れるという構成が明確に聞き分けられます。このパーカッションは、サンタナバンドのアルフォンソ・ムーゾンと思われ、彼も飛入りしていたことが分かります。良きライバルでもあった二人の関係を垣間見せるようなギターバトルが楽しめますし、本作でのみ正常なピッチで楽しんでいただけることが貴重です。この曲は、前年に一般公開されたザ・フーの映画「TOMMY」に伝道師役で出演してクラプトンが演じたナンバーで、そのパフォーマンスを気に入り、自らのコンサートでもレパートリーにしていた時期でした。このツアーでは、このナンバーにサンタナが参加するのが常套化した「売り」になっており、最後までオーディエンスを盛り上げたのでした。

 75年ツアーは、サウンドボード録音のタイトル、オーディエンス録音のタイトルに恵まれていますが、連日セットリストが変わったこのツアーにあって、本作もその中に加えられるべき音質、パフォーマンスの両面でクオリティの高い日を捉えたものと言えます。是非ご鑑賞ください。

★ナンバリング入りステッカー付でのリリースとなります。

Disc:1 (60:22)
1. Intro.
2. Layla
3. Nobody Knows You When You're Down and Out
4. Carnival
5. Knockin' on Heaven's Door
6. Can't Find My Way Home
7. Further on Up the Road
8. Little Wing

Disc:2 (59:07)
1. I Shot the Sheriff
2. Badge
3. Steady Rollin' Man
4. Crossroads 
5. Tell the Truth (St. Louis 11th July 1975)
6. Eyesight to the Blind (San Diego 16th August 1975) *

STEREO SOUNDBOARD RECORDING

Eric Clapton - Guitar / Vocals
George Terry - Guitar
Dicks Sims - Keyboards
Carl Radle - Bass
Jamie Oldaker - Drums
Yvonne Elliman - Backing Vocals
Marcy Levy - Backing Vocals

Special Guest: Carlos Santana (*)