ERIC CLAPTON - NEW YORK 1994: DAT MASTER(2CD) [Beano-346]
ERIC CLAPTON - NEW YORK 1994: DAT MASTER(2CD)
[Beano-346]
販売価格: 5,200円(税込)
商品詳細
★取り寄せ(1週間で入荷)
Benefit for T.J. Martell Foundation
Avery Fisher Hall, New York, NY, USA 2nd May 1994 ULTIMATE SOUND(from Original Masters)
★最前列で録音されたド迫力のステレオ・オーディエンス録音!!
【クラプトン全キャリア中ピークの一つ、「ナッシン・バット・ザ・ブルース・アリーナツアー」直前のチャリティ公演の極上DATマスター登場!】
当店ではこれまでエリック・クラプトンのキャリア上の一つのピークと捉えられている94年「ナッシン・バット・ザ・ブルースツアー」の傑作タイトルを幾つもリリースしてきましたが、今回そのアリーナツアーにもクラブツアーにも属さない、アリーナツアーの直前に行われたチャリティコンサートのオリジナルDATマスターをリリース致します。このコンサートは、TJマーテル財団のチャリティイベントとして行われたもので、チケット代は750ドルから3500ドル(当時のレートで76,500円〜357,000円)で、ショー前にはシャンパンやキャビアがふんだんに用意されたビュッフェディナーが用意され、ショー終了後にはリンカーン・センターのロビーでデザートが提供されました。参加者は帰りの際に、イベントTシャツ、特別プログラム、そしてクラプトンの『UNPLUGGED』CDがセットになったギフトパッケージを受け取ったとのことで、特別な公演だったようです。
この特別な公演のDATマスターを提供してくれたのは、お馴染みのイギリス在住の重鎮テーパーその人です。このマスターの音質、それは驚愕のレベルでした。バンドの楽音、クラプトンのボーカルが「近過ぎる」のです!クラブツアーの狭いハコを感じさせる距離感でもなく、アリーナ最前列席録音での質感でもない、かと言って「まるでサウンドボードのような」という感覚とも違う、独特の至近距離感なのです。それもそのはず、この公演はアリーナでもなく、クラブでもなく、「ナッシン・バット・ザ・ブルースツアー」の開始前にスポット的に行ったホール会場でのチャリティコンサートだったのです。間違いなくホールの最前列で録音されたド迫力のステレオ・オーディエンス録音ですが、このオーディエンス録音は、他ではお目にかかったことないほどのレベルなのです。例えるならば、マルチトラックからステレオ化したステレオ・サウンドボードを一つの頂点とするならば、本作のマスターはもう一方の頂点に君臨するステレオ・オーディエンス録音の究極形と言えるでしょう。とにかくこの音質、聴いてみてください。驚かない方はおられないと思います。この公演の既発盤は存在しますが、本作の前にはもはや論じるまでもないでしょう。しかも「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」での評価どおり、この日のクラプトンが絶好調なのです。凄いプレイを凄い音質で聴ける。
後に「ナッシン・バット・ザ・ブルースツアー」を題材として製作された、マーティン・スコセッシ監督によるオフィシャルリリースの映画とそのサントラCD「ナッシン・バット・ザ・ブルース」はアリーナツアーの後のクラブツアーを捉えたもので、スコセッシの意向により、映像の構成上実際のソングオーダーとは異なる形で収録されていた上に、コンサートの完全収録ではなかったこと、また会場がクラブであったことを考えると、本作特別な公演の特別な極上クオリティで聴く、価値の非常に高いものだと断言できます。
94年〜95年に実施された「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」は、クラプトンのキャリアにおいて神懸かり的に歌い、弾き捲ったツアーと評されるものでした。2年がかりで行なわれたこのツアーの全公演では一切の手抜きなし、全公演で弾き捲り、歌い捲り。余裕を持ち、リラックスしながらもブルースに体当たりのチャレンジをしたようなステージでした。彼にとって「ブルース」というものに対する答えを自ら出したとも言える「決意」を示したツアーであったと位置づけられます。
【クラプトンがブルースに回帰した訳】
ではなぜ94年というタイミングでクラプトンはブルースに回帰したのでしょうか?それには彼の悲しい人生を辿らざるを得ません。91年3月、幼い息子を不慮の事故で亡くしたクラプトンは、精神的に人生のどん底に落ち込みました。しかしスタッフや友人ミュージシャンたちに励まされながらクラプトンは、その状態から亡き息子への想いとこれまでの自分の人生回顧を曲創作に向けるというカタルシスに転化させました。そしてその初披露の場となったMTV「アンプラグド」において、クラプトンは少年期から憧れプレイしてきたブルースも同時に演奏しました。そこで改めてブルースの本質に触れたクラプトンは、通常のツアーに復帰しながらも、翌93年には、恒例となっていた初頭のロイヤル・アルバート・ホール連続公演ではブルースだけでセットリストを組んだコンサートを行なうことを決意し、実行します。そして若い頃にはできなかった念願のブルースオンリーのアルバム「FROM THE CRADLE」のレコーディングを敢行したのです。それまでにもクラプトンは契約レーベルであるワーナーに対し、ブルースアルバムの制作を打診していましたが、「そんなものが売れるわけがない」と一蹴されてきました。ところがアルバム「UNPLUGGED」が空前の大ヒットを記録したことで、ワーナー側の態度が軟化、クラプトンへのボーナス的にブルースアルバムの制作を承認したということも追い風となりました。そして「FROM THE CRADLE」は何と「UNPLUGGED」に続き、全米アルバムチャートの1位を獲得するヒットとなったのでした。本場アメリカのリスナーもクラプトンのブルースを欲したのです。アルバム「FROM THE CRADLE」の実現を受けて、自身ではライブステージでもブルースを極めたいという意思を固めたのでしょう。この勢いを駆ってクラプトンが計画したのが、ライブでもブルースだけを演奏する「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」だったというわけです。幼い息子を失ったという精神のどん底において、自分を見失わないよう導いてくれたのがブルースだったと、クラプトンは気づいたのではなかったでしょうか。ブルースに魅せられた少年時代を思い出し、改めてブルースとそれを演じた先達に感謝するため、とことんブルースに回帰したのが「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」でした。このツアーに懸けたクラプトンの心意気は只ものではなかったと言えます。
【全編がハイテンション&聴きどころのステージ構成】
ここで「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」の日程をおさらいしておきますと、
<1994年>
2月16日〜3月6日:ロイヤル・アルバート・ホール12日連続公演を含むイギリスツアー
5月2日:ニューヨーク、アヴェリー・フィッシャー・ホールにてTJマーテル財団のためのチャリティコンサートを行う ←★ココ★
≪9月13日「 FROM THE CRADLE」リリース≫
9月28日:ニューヨーク、ハマースタイン・ボールルームにてツアーリハーサルを映像収録。これは後にアメリカ、ヨーロッパ、日本で放映された。
10月3日〜11月4日:全米アリーナ・ツアー
11月7日〜11月28日:全米クラブ・ツアー
<1995年>
2月15日〜3月7日:イギリス・ツアー
4月5日〜5月5日:ヨーロッパ・ツアー
8月28日〜9月24日:全米アリーナ・ツアーII
10月1日〜10月13日:ジャパン・ツアー
本作に収録された5月2日は、イギリスツアーと「ナッシン・バット・ザ・ブルース・アリーナツアー」の狭間に位置していたことがお分かりでしょう。スポット的なコンサートだったわけです。チャリティという意味合いもあり、ショートセット化を図って本番ツアーとは少しセットリストが異なっていました。オープニングがMotherless Childではなく、Terraplane Bluesだったのが驚きです。このオープニングは2年に亘るツアーでもこの日しかありませんでした。さらに本番ツアーではプレイしたSinner's Prayer、Can't Judge Nobody、Have You Ever Loved A Woman、Crosscut Sawの4曲をプレイしていません。まさに特別な公演でした。
しかしセットの構成そのものは変わらず、シッティングのアコースティックセットからスタンディングのエレクトリックセットに移行する中、その進行に連れてクラプトンとバンドの「熱」が急激に高まっていき、終盤では火を噴くように激しく情熱的な演奏が展開され、究極まで上り詰めたところでレギュラーセットが終了。アンコールラストではピアノだけをバックに独唱し、エンディングはバンド総勢での感動的な演奏で締めるという意外なナンバーAin't Nobody's Businessでオーディエンスの心を震わせて終了、という構成でした。
前半は、アコースティックもしくは定型のリフで構成されたナンバーでのプレイのため、パターン化された演奏を手堅く決めている感じですが、中盤以降のギターソロが大々的にフィーチュアされるナンバーについては、ライブアーティストであるクラプトンの真髄を見せるように、完全アドリブで澱むことのない切れ味抜群の怒涛のフレーズを畳み掛けています。Someday After A Whileから連続でプレイされるフレディ・キングコーナーでの流麗なソロもも聴きものです。中でも特にFive Long Years以降の終盤での弾き捲りは凄過ぎます。本当によくぞここまで指が動くものだと感嘆させられます。しかもただの速弾きではなく、スピリットが乗っかっているクラプトンならではのフレーズなのです。その中でもこの日のキラーチューンと言えるのは、Groaning The Bluesです。とにかく凄まじい弾き捲りには言葉を失います。さらに注目はBorn Under A Bad Signで、この曲はクラブツアーでは演奏されませんでした。それだけにアルバート・キングに迫るクラプトンを確認できる貴重なテイクだと言えます。
そしてこの日のAin't Nobody's Businessも最高!この曲は1922年に作られたもので、様々な歌手がカバーしたのですが、クラプトンは戦前の女性ブルース歌手ベッシー・スミスが1923年に歌ったバージョンを元にしています。「一文無しになろうが、海に飛び込んで自殺しようが、私のことは放っておいて」という、自らの不運な人生を嘆く内容をクラプトンは淡々と歌います。しかし最後にはバンド全体で感情を爆発させます。それは自暴自棄の叫びなのでしょうか、それともここからはクラプトンが、「自暴自棄になっちゃいけない。自分を大切にして。」と主人公を励ましているのでしょうか。そんな風にも取れるここでのプレイは素晴らし過ぎます。このツアーでは、スタジオ録音したことがないブルースを多くプレイしましたが、この曲は特に印象深いものです。レギュラーセットのラストに持ってきたことを考えると、確実にクラプトンの何らかの意図があったと思われます。
またこのツアーでは、クラプトンはキャリア史上ワンステージでの使用ギター数としては最多記録となる9本ものギターを使い分けたことも特筆すべきことでした(ツアー本番では10本のギターを使い分けました)。それは、オリジナルのブルースアーティスト&レコーディングを重んじ、同じサウンドを出そうとしてのことでした。そのこだわりを整理してみますと、
(1)マーティン000-42-Terraplane Blues 、Malted Milk
(2)ドブロ-How Long Blues
(3)ギブソンL5-Kidman Blues、 County Jail
(4)ギブソン・バードランド(ブラウンサンバースト)-Forty Four
(5)フェンダー・ストラトキャスター(ブロンドフィニッシュ)-Blues All Day Long、Going Away、Five Long Years、Born Under A Bad Sign、Groaning The Blues 、Crossroads、Ain't Nobody's Business
(6)フェンダー・ストラトキャスター(ブラックフィニッシュ)-Standin' Around Cryin'
(7)ン・バードランド(ブロンドフィニッシュ)-It Hurts Me Too、Blues Before Sunrise
(8)ギブソンES-335(ブラウンサンバースト)-Reconsider Baby
(9)ギブソンES-335(チェリーレッド)-Someday After a While、Tore Down
本作の極上音質なら、ギター毎のトーンも正確に捉えられています。クラプトンのギタートーンまで及んだこだわりを是非、各曲でお楽しみいただきたいと思います。「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」の狭間に行われた特別な公演の決定版は本作です!
★ナンバリング入りステッカー付でのリリースとなります。
Disc:1 (45:11)
1. Intro
2. Terraplane Blues
3. Malted Milk
4. How Long Blues
5. Kidman Blues
6. County Jail
7. Forty Four
8. Blues All Day Long (Blues Leave Me Alone)
9. Goin’ Away
10. Standing Around Crying
11. Hoochie Coochie Man
12. It Hurts Me Too
13. Blues Before Sunrise
Disc:2 (47:13)
1. Third Degree
2. Reconsider Baby
3. Someday After A While
4. Tore Down
5. Five Long Years
6. Born Under A Bad Sign
7. Groaning The Blues
8. Crossroads
9. Ain't Nobody's Business
Eric Clapton - guitar / vocals
Andy Fairweather Low - guitar
Chris Stainton - keyboards
Dave Bronze - bass
Andy Newmark - drums
Jerry Portnoy - harmonica
Simon Clarke - baritone saxophone
Roddy Lorimer - trumpet
Tim Sanders - tenor saxophone
Benefit for T.J. Martell Foundation
Avery Fisher Hall, New York, NY, USA 2nd May 1994 ULTIMATE SOUND(from Original Masters)
★最前列で録音されたド迫力のステレオ・オーディエンス録音!!
【クラプトン全キャリア中ピークの一つ、「ナッシン・バット・ザ・ブルース・アリーナツアー」直前のチャリティ公演の極上DATマスター登場!】
当店ではこれまでエリック・クラプトンのキャリア上の一つのピークと捉えられている94年「ナッシン・バット・ザ・ブルースツアー」の傑作タイトルを幾つもリリースしてきましたが、今回そのアリーナツアーにもクラブツアーにも属さない、アリーナツアーの直前に行われたチャリティコンサートのオリジナルDATマスターをリリース致します。このコンサートは、TJマーテル財団のチャリティイベントとして行われたもので、チケット代は750ドルから3500ドル(当時のレートで76,500円〜357,000円)で、ショー前にはシャンパンやキャビアがふんだんに用意されたビュッフェディナーが用意され、ショー終了後にはリンカーン・センターのロビーでデザートが提供されました。参加者は帰りの際に、イベントTシャツ、特別プログラム、そしてクラプトンの『UNPLUGGED』CDがセットになったギフトパッケージを受け取ったとのことで、特別な公演だったようです。
この特別な公演のDATマスターを提供してくれたのは、お馴染みのイギリス在住の重鎮テーパーその人です。このマスターの音質、それは驚愕のレベルでした。バンドの楽音、クラプトンのボーカルが「近過ぎる」のです!クラブツアーの狭いハコを感じさせる距離感でもなく、アリーナ最前列席録音での質感でもない、かと言って「まるでサウンドボードのような」という感覚とも違う、独特の至近距離感なのです。それもそのはず、この公演はアリーナでもなく、クラブでもなく、「ナッシン・バット・ザ・ブルースツアー」の開始前にスポット的に行ったホール会場でのチャリティコンサートだったのです。間違いなくホールの最前列で録音されたド迫力のステレオ・オーディエンス録音ですが、このオーディエンス録音は、他ではお目にかかったことないほどのレベルなのです。例えるならば、マルチトラックからステレオ化したステレオ・サウンドボードを一つの頂点とするならば、本作のマスターはもう一方の頂点に君臨するステレオ・オーディエンス録音の究極形と言えるでしょう。とにかくこの音質、聴いてみてください。驚かない方はおられないと思います。この公演の既発盤は存在しますが、本作の前にはもはや論じるまでもないでしょう。しかも「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」での評価どおり、この日のクラプトンが絶好調なのです。凄いプレイを凄い音質で聴ける。
後に「ナッシン・バット・ザ・ブルースツアー」を題材として製作された、マーティン・スコセッシ監督によるオフィシャルリリースの映画とそのサントラCD「ナッシン・バット・ザ・ブルース」はアリーナツアーの後のクラブツアーを捉えたもので、スコセッシの意向により、映像の構成上実際のソングオーダーとは異なる形で収録されていた上に、コンサートの完全収録ではなかったこと、また会場がクラブであったことを考えると、本作特別な公演の特別な極上クオリティで聴く、価値の非常に高いものだと断言できます。
94年〜95年に実施された「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」は、クラプトンのキャリアにおいて神懸かり的に歌い、弾き捲ったツアーと評されるものでした。2年がかりで行なわれたこのツアーの全公演では一切の手抜きなし、全公演で弾き捲り、歌い捲り。余裕を持ち、リラックスしながらもブルースに体当たりのチャレンジをしたようなステージでした。彼にとって「ブルース」というものに対する答えを自ら出したとも言える「決意」を示したツアーであったと位置づけられます。
【クラプトンがブルースに回帰した訳】
ではなぜ94年というタイミングでクラプトンはブルースに回帰したのでしょうか?それには彼の悲しい人生を辿らざるを得ません。91年3月、幼い息子を不慮の事故で亡くしたクラプトンは、精神的に人生のどん底に落ち込みました。しかしスタッフや友人ミュージシャンたちに励まされながらクラプトンは、その状態から亡き息子への想いとこれまでの自分の人生回顧を曲創作に向けるというカタルシスに転化させました。そしてその初披露の場となったMTV「アンプラグド」において、クラプトンは少年期から憧れプレイしてきたブルースも同時に演奏しました。そこで改めてブルースの本質に触れたクラプトンは、通常のツアーに復帰しながらも、翌93年には、恒例となっていた初頭のロイヤル・アルバート・ホール連続公演ではブルースだけでセットリストを組んだコンサートを行なうことを決意し、実行します。そして若い頃にはできなかった念願のブルースオンリーのアルバム「FROM THE CRADLE」のレコーディングを敢行したのです。それまでにもクラプトンは契約レーベルであるワーナーに対し、ブルースアルバムの制作を打診していましたが、「そんなものが売れるわけがない」と一蹴されてきました。ところがアルバム「UNPLUGGED」が空前の大ヒットを記録したことで、ワーナー側の態度が軟化、クラプトンへのボーナス的にブルースアルバムの制作を承認したということも追い風となりました。そして「FROM THE CRADLE」は何と「UNPLUGGED」に続き、全米アルバムチャートの1位を獲得するヒットとなったのでした。本場アメリカのリスナーもクラプトンのブルースを欲したのです。アルバム「FROM THE CRADLE」の実現を受けて、自身ではライブステージでもブルースを極めたいという意思を固めたのでしょう。この勢いを駆ってクラプトンが計画したのが、ライブでもブルースだけを演奏する「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」だったというわけです。幼い息子を失ったという精神のどん底において、自分を見失わないよう導いてくれたのがブルースだったと、クラプトンは気づいたのではなかったでしょうか。ブルースに魅せられた少年時代を思い出し、改めてブルースとそれを演じた先達に感謝するため、とことんブルースに回帰したのが「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」でした。このツアーに懸けたクラプトンの心意気は只ものではなかったと言えます。
【全編がハイテンション&聴きどころのステージ構成】
ここで「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」の日程をおさらいしておきますと、
<1994年>
2月16日〜3月6日:ロイヤル・アルバート・ホール12日連続公演を含むイギリスツアー
5月2日:ニューヨーク、アヴェリー・フィッシャー・ホールにてTJマーテル財団のためのチャリティコンサートを行う ←★ココ★
≪9月13日「 FROM THE CRADLE」リリース≫
9月28日:ニューヨーク、ハマースタイン・ボールルームにてツアーリハーサルを映像収録。これは後にアメリカ、ヨーロッパ、日本で放映された。
10月3日〜11月4日:全米アリーナ・ツアー
11月7日〜11月28日:全米クラブ・ツアー
<1995年>
2月15日〜3月7日:イギリス・ツアー
4月5日〜5月5日:ヨーロッパ・ツアー
8月28日〜9月24日:全米アリーナ・ツアーII
10月1日〜10月13日:ジャパン・ツアー
本作に収録された5月2日は、イギリスツアーと「ナッシン・バット・ザ・ブルース・アリーナツアー」の狭間に位置していたことがお分かりでしょう。スポット的なコンサートだったわけです。チャリティという意味合いもあり、ショートセット化を図って本番ツアーとは少しセットリストが異なっていました。オープニングがMotherless Childではなく、Terraplane Bluesだったのが驚きです。このオープニングは2年に亘るツアーでもこの日しかありませんでした。さらに本番ツアーではプレイしたSinner's Prayer、Can't Judge Nobody、Have You Ever Loved A Woman、Crosscut Sawの4曲をプレイしていません。まさに特別な公演でした。
しかしセットの構成そのものは変わらず、シッティングのアコースティックセットからスタンディングのエレクトリックセットに移行する中、その進行に連れてクラプトンとバンドの「熱」が急激に高まっていき、終盤では火を噴くように激しく情熱的な演奏が展開され、究極まで上り詰めたところでレギュラーセットが終了。アンコールラストではピアノだけをバックに独唱し、エンディングはバンド総勢での感動的な演奏で締めるという意外なナンバーAin't Nobody's Businessでオーディエンスの心を震わせて終了、という構成でした。
前半は、アコースティックもしくは定型のリフで構成されたナンバーでのプレイのため、パターン化された演奏を手堅く決めている感じですが、中盤以降のギターソロが大々的にフィーチュアされるナンバーについては、ライブアーティストであるクラプトンの真髄を見せるように、完全アドリブで澱むことのない切れ味抜群の怒涛のフレーズを畳み掛けています。Someday After A Whileから連続でプレイされるフレディ・キングコーナーでの流麗なソロもも聴きものです。中でも特にFive Long Years以降の終盤での弾き捲りは凄過ぎます。本当によくぞここまで指が動くものだと感嘆させられます。しかもただの速弾きではなく、スピリットが乗っかっているクラプトンならではのフレーズなのです。その中でもこの日のキラーチューンと言えるのは、Groaning The Bluesです。とにかく凄まじい弾き捲りには言葉を失います。さらに注目はBorn Under A Bad Signで、この曲はクラブツアーでは演奏されませんでした。それだけにアルバート・キングに迫るクラプトンを確認できる貴重なテイクだと言えます。
そしてこの日のAin't Nobody's Businessも最高!この曲は1922年に作られたもので、様々な歌手がカバーしたのですが、クラプトンは戦前の女性ブルース歌手ベッシー・スミスが1923年に歌ったバージョンを元にしています。「一文無しになろうが、海に飛び込んで自殺しようが、私のことは放っておいて」という、自らの不運な人生を嘆く内容をクラプトンは淡々と歌います。しかし最後にはバンド全体で感情を爆発させます。それは自暴自棄の叫びなのでしょうか、それともここからはクラプトンが、「自暴自棄になっちゃいけない。自分を大切にして。」と主人公を励ましているのでしょうか。そんな風にも取れるここでのプレイは素晴らし過ぎます。このツアーでは、スタジオ録音したことがないブルースを多くプレイしましたが、この曲は特に印象深いものです。レギュラーセットのラストに持ってきたことを考えると、確実にクラプトンの何らかの意図があったと思われます。
またこのツアーでは、クラプトンはキャリア史上ワンステージでの使用ギター数としては最多記録となる9本ものギターを使い分けたことも特筆すべきことでした(ツアー本番では10本のギターを使い分けました)。それは、オリジナルのブルースアーティスト&レコーディングを重んじ、同じサウンドを出そうとしてのことでした。そのこだわりを整理してみますと、
(1)マーティン000-42-Terraplane Blues 、Malted Milk
(2)ドブロ-How Long Blues
(3)ギブソンL5-Kidman Blues、 County Jail
(4)ギブソン・バードランド(ブラウンサンバースト)-Forty Four
(5)フェンダー・ストラトキャスター(ブロンドフィニッシュ)-Blues All Day Long、Going Away、Five Long Years、Born Under A Bad Sign、Groaning The Blues 、Crossroads、Ain't Nobody's Business
(6)フェンダー・ストラトキャスター(ブラックフィニッシュ)-Standin' Around Cryin'
(7)ン・バードランド(ブロンドフィニッシュ)-It Hurts Me Too、Blues Before Sunrise
(8)ギブソンES-335(ブラウンサンバースト)-Reconsider Baby
(9)ギブソンES-335(チェリーレッド)-Someday After a While、Tore Down
本作の極上音質なら、ギター毎のトーンも正確に捉えられています。クラプトンのギタートーンまで及んだこだわりを是非、各曲でお楽しみいただきたいと思います。「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」の狭間に行われた特別な公演の決定版は本作です!
★ナンバリング入りステッカー付でのリリースとなります。
Disc:1 (45:11)
1. Intro
2. Terraplane Blues
3. Malted Milk
4. How Long Blues
5. Kidman Blues
6. County Jail
7. Forty Four
8. Blues All Day Long (Blues Leave Me Alone)
9. Goin’ Away
10. Standing Around Crying
11. Hoochie Coochie Man
12. It Hurts Me Too
13. Blues Before Sunrise
Disc:2 (47:13)
1. Third Degree
2. Reconsider Baby
3. Someday After A While
4. Tore Down
5. Five Long Years
6. Born Under A Bad Sign
7. Groaning The Blues
8. Crossroads
9. Ain't Nobody's Business
Eric Clapton - guitar / vocals
Andy Fairweather Low - guitar
Chris Stainton - keyboards
Dave Bronze - bass
Andy Newmark - drums
Jerry Portnoy - harmonica
Simon Clarke - baritone saxophone
Roddy Lorimer - trumpet
Tim Sanders - tenor saxophone