FREE - EUROPE '70(1CD) [Wardour-391]

FREE - EUROPE '70(1CD) [Wardour-391]

販売価格: 2,500円(税込)

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商品詳細

★ギフト・タイトル(一部レーベル限定)の対象品です。

Eissport-Stadion, Oberwiesenfeld, Munich, West Germany 11th July 1970
Konzerthaus, Vienna, Austria 29th November 1970
Soerser Stadium, Aachen, West Germany 10th July 1970

 奇跡のブルースロックを奏でたオリジナルFREE。活動歴自体が極端に短い4人でしたが、中でも“1970年”は特別すぎでした。平均年齢20歳の若者たちが滋味深いブルースロックの極みを描き出しただけでも奇跡なのに、大名盤『FIRE AND WATER』『HIGHWAY』『FREE LIVE!』を録音したのもすべて1970年内(スタジオ録音「Get Where I Belong」のみ1971年3月)。1年で2枚の名盤を残したバンドは多いですが、3枚となると極端に珍しい。しかも、ツアー生活を送りながら。いかに“1970年のFREE”がミラクルな存在だったのか、残された作品が証明しているのです。
 前置きが長くなってしまいましたが、本作はそんな“奇跡の1年”を永久保存したプレスCD。1970年中欧ツアーの極上録音を集成したオーディエンス・アルバムなのです。本作に収められているのは3公演。「1970年7月11日ミュンヘン公演」と「同年11月29日ウィーン公演」の長尺録音を2本柱に、さらに「同年7月10日アーヘン公演」からボーナス収録した絶品オーディエンス録音セットです。それぞれ個別にご紹介する前に、まずは本作の構成を簡単に整理しておきましょう。

●ミュンヘン公演/ウィーン公演の2テイク収録(5曲)
・TONS OF SOBS:I'm A Mover
・FIRE AND WATER:Fire and Water/Mr. Big/All Right Now
・HIGHWAY:Ride On A Pony

●1テイク収録(6曲)
・ミュンヘン公演:Walk In My Shadow/Woman
・ウィーン公演:Songs Of Yesterday/Heavy Load/Be My Friend
・アーヘン公演:The Hunter

【前半:7月11日ミュンヘン公演(7曲)】
 まず登場するのは、西ドイツの音楽祭“EURO-POP '70 AZ-MUSIKFESTIVAL”に参加した際の絶品オーディエンス録音。このフェスは2日間で行われ、TASTEやDEEP PURPLEをヘッドライナーにTRAFIC、BLACK SABBATH、『YETI』時代のAMON DUUL II、ダモ鈴木が加入したばかりのCANなど(本番中に出逢ってそのままステージに上がった加入した伝説は2ヶ月前の同じミュンヘンです)、国内外のバンドが22組参加。FREEは2日目の中堅枠でした。
 そんなショウを記録した本作は、すこぶる素晴らしい。これまでほとんど出回っていなかった録音なのですが、味わい深さと聴きやすさが見事に両立している。サウンドボード的なド密着感ではないものの、かと言って決して遠くもない。とにかく鮮度が素晴らしく芯は力強ければ、鳴りも極めて端正。さらに驚くのがバランスの良さ。わずかな空気感を貫く4人の均整が取れており、その1音1音が機微まで綺麗に手元まで届く。70年代初期、それも中堅どころのバンドをここまでのサウンドで録音していたとは……。実際、1970年録音でここまでの美音はそうそうない。恐らくは約34分という長さのために見逃されてきたのでしょうが、クオリティは屈指の名録音です。

【後半:11月29日ウィーン公演(8曲)】
 続くは『HIGHWAY』リリース直前のウィーン公演。こちらは約40分で「Songs Of Yesterday」「Heavy Load」も演奏してくれます。こちらもほとんど出回っていないヴィンテージ録音ながら鮮度バツグン。ただし、ミュンヘン公演に比べるとややクセが強い。実はヴォーカルだけが妙に遠く、歌詞までは聴き取れないタイプなのです。
 もちろん、ダメ録音でしたら永久保存プレス化はしておりません。ヴォーカルを補ってあまりあるのが超リアルなポール・コゾフのギター! ヴォーカルとは真反対に猛烈に近く、すぐ目の前で演奏されている。あの極太なトーンが距離感もなく耳に飛びこみ、シンプルなようでいて微妙に表情を変えていくヴィヴラートが機微まで分かる。最初は「確かにヴォーカルが……」となるかも知れませんが、絶品のギターに浸っていると実は鳴りが端正でディテールまでクッキリしている事にも気づく。ある意味でちょっとしたオーディエンス慣れが必要ではありますが、誰のモノマネでもなく、誰もマネできなかった孤高のギターをたっぷりと現場体験できる「コゾフ録音」なのです。

【ボーナス:7月10日アーヘン公演(1曲)】
 そして、最後にボーナス収録されているのは冒頭ミュンヘン公演の前日にあたる“AACHEN OPEN AIR POP FESTIVAL”のオーディエンス録音です。これは“EURO-POP '70”をさらに拡大させたようなイベントで、PINK FLOYDやアルバム・デビュー前のKRAFTWERKも出演した伝説のフェス。FREEは3日間のうちの初日に準トリとして出演しました(ちなみにトリはDEEP PURPLEで、公式盤『LIVE IN AACHEN 1970』になっています)。
 実のところ、この録音は既発も存在するのですが、本作はそれとは異なるアップグレード・マスター。従来盤は歪みがあったり、ヒスまみれだったりと貴重ながら今ひとつでしたが、本作はまるで別物のように素晴らしいのです。ただし(どういうわけか)このアップグレード版が登場したのは本作の「The Hunter」1曲のみ。そこで、翌日ミュンヘン録音が永久保存される本作にボーナス収録となったのです(録音自体は長尺なのは分かっている事なので、ぜひともアップグレード全長版が登場していただきたい……)。

 百花繚乱の70年代英国シーンでも飛びっきりの奇跡だったオリジナルFREE。その彼らの頂点だった“1970年”は、まさに奇跡の中の奇跡です。そんな英国ロックの現場体験を79分46秒にわたって永久保存するプレスCD。どうぞ、じっくりと噛みしめるようにご堪能ください。


(79:43)

"EURO-POP '70 AZ-Musikfestival"
Eissport-Stadion, Oberwiesenfeld, Munich, West Germany 11th July 1970

01. Fire And Water
02. Woman
03. Ride On A Pony
04. I'm A Mover
05. Mr. Big
06. Walk In My Shadow
07. All Right Now

Konzerthaus, Vienna, Austria 29th November 1970

08. Fire And Water
09. I'm A Mover
10. Ride On A Pony
11. Be My Friend
12. Mr. Big
13. Songs Of Yesterday
14. Heavy Load
15. All Right Now

"Aachen Open Air Pop Festival"
Soerser Stadium, Aachen, West Germany 10th July 1970

16. The Hunter