【取り寄せ】BILLY JOEL - SCENES FROM U.S.S.R.(2CDR) [TRIAL-243]

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Live at Lenin Sports And Concert Complex, Leningrad, U.S.S.R. 2nd August 1987 STEREO SBD

 ビリーが1986年に「THE BRIDGE」をリリースした後、アメリカ全土そして日本,イギリスへとサーキットしたワールドツアーは、7月26日から8月上旬まで行われたソ連ツアーでクライマックスを迎えました。
 西側の著名アーティストによるソ連ツアーは、この数年後にはSCORPIONSなどにより頻繁に行われますが、この'87年の時点においては(いかに"ペレストロイカ"で東西の距離感が近づいていたとは言え)まだまだハードルが高く、アメリカのメジャーなロック・ミュージシャンとしてはほとんど初めての出来事でした。それだけにビリーのツアーは、世界中の注目を集める中で実現しました。この時は7月中にモスクワで3公演が、8月はレニングラードで3公演がそれぞれ行われ(さらにトビリシでも予定外の公演があったとの事)、ライヴ作品「KOHUEPT」(コンチェルト)やライヴ映像、さらにドキュメンタリーと、公式作品が続々とリリースされた事も、このツアーの重要性を物語っています。

 本作はそのうち、4公演目に当たる8月2日のレニングラード初日の模様を、同時放送されたラジオ音源の中でも優良なソースを元に音盤化したもの。
 本ライヴは上記した「KOHUEPT」において中心的な素材となりました。しかしアルバム製作に当たっては、複数公演のテイクを部分的に使用し、がっちりと作り上げられていました。その点本作ではオフィシャル未収録の楽曲を数多く含み、公式作品では知りえなかった場面も細かく確認できます。作品として完成された「KOHUEPT」と対照的な"剥き出しのドキュメント"として、本音源の価値は計り知れません。ロック・ミュージック史上でも特筆されるライヴを、優れた演奏とサウンド、そして当時の空気をも伝えるような生々しいリアルさで満喫できます。

 オープニングの「Angry Young Man」から、ビリーのピアノやヴォーカルはもちろんバンドのプレイも、高い安定感とバランス,均整に優れた、サウンドボードならではの聴き易いサウンドで楽しめます。オフィシャルほど洗練されていない音像も逆に魅力的。言わずと知れた名曲「Honesty」(最初の一節を間違えてはいますが、それですらこの日のみのオリジナルな響きで聴こえます)や「She's Always A Woman」など、エコーがあまり掛かっていないビリーのヴォーカルも、聴き手の心にもストレートに訴えかけるでしょう。その他にも明るく快活な「The Ballad Of Billy The Kid」や「Scenes From An Italian Restaurant」、ほど良い哀愁が印象的な「Allentown」など、ビリーの魅力を凝縮したセットリストはとても魅力的です。
 この時はビリーのMCにロシア語の通訳を交え、彼の気持ちを観衆へ判り易く伝えているのも見逃せません。自己紹介や自分の愛する音楽についてや、この日会場へやって来た観客への気遣いなど、ユーモアを交えたMCには大きな歓声や拍手が挙がっています。やや政治的な色合いを持つ「Goodnight Saigon」とそのMCも、ビリーの誠実な語りかけが人々の心を動かしているのが伝わります(演奏後の大きな拍手はその何よりの証拠でしょう)。観衆を巻き込んで盛り上がる「Stiletto」や「The Longest Time」・「It's Still Rock and Roll To Me」の楽しいムード、「Uptown Girl」のハートウォームな雰囲気は、場所が何処であろうが変わらない、ビリー・ライヴの真骨頂です。ラストではこの時ならではの「Back In The U.S.S.R.」が取り上げられ、スペシャルなライヴを最高の楽しさで締めくくります。この日演奏されていた「An Innocent Man」と「Tell Her About It」が未収録なのは残念ですが、それでも全編が聴き所といえる115分間です。

 このソ連ツアーは、ややもすれば政治的な側面が強調されがち。確かに歴史的・政治的にも重要な出来事ではありますが、何よりもビリーの「ロシアの人たちにも自分の音楽を届けたい」という純粋な気持ち、その意思に裏付けられた質の高いパフォーマンスにこそ注目し、じっくりと演奏を聴くべきでしょう。このツアーで会場に詰め掛けた人々や、ラジオ放送を聴いていた人も、きっと多くはビリーの作品を知らなかったはず。それでも彼のプロフェッショナルな演奏を前にして「噂には聞いていたけど、こんなに凄いなんて!」と思ったのではないでしょうか?
 一流ミュージシャンが発する"本物"の音楽は国境すら越えるもの。現在のファンの皆さんにも、この時ビリーが残した名演をぜひお楽しみ頂きたいと思います。本来ならプレスCD化されてもおかしくない一本です!

★beatleg誌 vol.88(2007年11月号)のレビュー要約です。ご参考まで。

1987年8月2日、『The Brigde』ツアーの一貫として旧ソ連公演はアメリカのロック・アーティストとして初めての公演となった。と記憶している。公演後にライヴ盤、ライヴ映像、ドキュメンタリー映像と当時としては様々な形態でリリースされているが、ビリーにとって大変重要なことにもかかわらず当初はリリースを拒んでいた。ヴォーカルの調子が今一つな感じも理由かもしれないが、当時のマネージャー、フランク・ウェーバーとの確執が始まっていてリリースに関しても大変もめていたようだ。放送音源からのステレオ・サウンドボードの素晴らしい音質だがオフィシャルと比較すると若干音の分離がダンゴの状態でマイク・ノイズもあるものの、エコーの殆どかかっていない艶かしいヴォーカルが非常にリアル。オフィシャルは複数日の音源が編集されているので、純粋な同日音源であるのと曲数やロシア語通訳を交えたMCが多く収録されているのがポイントだ。歌い出しの失敗により「Honesty」ではハッキリ音源の差し替えがわかるのも興味深い。残念ながら完全収録ではなく「An Innocent Man」と「Tell Her About It」が未収録である。「The Ballad Of Billy The Kid」では6月の日本公演のためか(ロンドン1公演をはさんでいるが)「The Stranger」ばりの口笛をハーモニカ部分で吹いているのが珍しいし、その前のトーク&曲紹介ではチラッと「Magnificent Seve」を弾いてみたりして曲間のお楽しみもバッチリだ。アンコールにポール・マッカートニーよりも一足先に「Back In The U.S.S.R.」を披露しているのも旧ソ連ならでは。ファンはもちろん、アメリカのロック・アーティストが始めて旧ソ連で演奏した歴史的音源なので資料的にも大変貴重である。

Disc 1
1. Angry Young Man 2. Honesty 3. The Ballad Of Billy The Kid 4. She's Always A Woman
5. Scenes From An Italian Restaurant 6. Allentown 7. Goodnight Saigon 8. Stiletto
9. Big Man On Mulberry Street 10. Baby Grand

DISC 2
1. The Longest Time 2. A Matter Of Trust 3. Only The Good Die Young
4. It's Still Rock and Roll To Me 5. Sometimes A Fantasy 6. You May Be Right 7. Uptown Girl
8. Big Shot 9. Back In The U.S.S.R.

Billy Joel - Vocals, Piano, Guitar Liberty DeVitto - Drums Kevin Dukes - Electric Guitar
Peter Hewlett - Backing Vocals Russell Javors - Acoustic Guitar David LeBolt - Keyboards
Mark Rivera - Alto & Tenor saxophone George Simms - Backing Vocals Doug Stegmeyer - Bass, Vocals
Oleg Smirnoff - Onstage Translator

STEREO SOUNDBOARD RECORDING