BOB DYLAN - HAMMERSMITH ODEON 1990 4TH NIGHT(2CD) [ZION-126]

BOB DYLAN - HAMMERSMITH ODEON 1990 4TH NIGHT(2CD) [ZION-126]

販売価格: 2,800円(税込)

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商品詳細

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Live at Hammersmith Odeon, London, UK 6th February 1990 PERFECT SOUND(from Original Masters)

 一見華やかに思えたトム・ペティとのツアー中に活動が行き詰まり、一時は引退を本気で考えていたというボブ・ディランが復活を遂げたのが1988年からのネヴァー・エンディング・ツアーでした。GE・スミスという最高のギタリストを手に入れたことにより、さらに積極的なライブ活動へと乗り出したことは歴史が証明する通り。88年から90年という三年間は、ディランがスミスとがっぷり四つに組んで見事な再生を果たした時期だと呼べるでしょう。
 この三年間の総決算、あるいは頂点とも言えたのが1990年1月から2月にかけての時期。ZIONから決定版がリリースされた伝説の公開リハーサル・ギグ「TOAD'S PLACE 1990」で最高のスタートを切ったディランとバンドは、連日に渡って素晴らしいステージを披露。前年の秋にリリースされたアルバム「OH MERCY」の高評価も確実に追い風となったはず。この勢いはツアーがフランスとイギリス行程へ移動すると頂点に達しました。
 GE・スミス在籍時のツアーにおける何度目かの絶頂期となったこの時期、パリとツアー最終日の名音源かつ名演をカップリングしたのが「FROM GRAND REX TO HAMMERSMITH」。そこに収録されたのはロンドン、ハマースミス・オデオン6夜連続公演の千秋楽となった2月8日でした。確かにこの日の演奏はGE・スミス在籍時における最高のショーとの評判を揺るぎないものとしており、過去にもいくつかのアイテムがリリースされたほど名演の誉れ高き一日として知られています。
 しかしハマースミス・オデオン6公演はどれもが素晴らしく、当時イギリスのマスコミに激賞されたことを考えると、ハマースミス他の日のアイテムがほとんどリリースされていない状況というのは不思議で仕方ありません。残りは懐かしのウォンテッド・マン(ちなみにレーベル設立者がさる一月に亡くなられました)による5日と6日のいいとこどり編集だった「CRITIC'S CHOICE VOL. 1&2」くらいしかアイテムが存在しないという状況。確かに8日のショーはずば抜けている、だけど他の日も演奏の質は総じて高いのだから、やはり他の日の音源もアイテム化されないものだろうか。この思いは全世界のディラン・マニア共通だったはず。しかし今回「FROM GRAND〜」以来となるリリース、それでいて8日以外のショーの音源のリリースが遂に実現するのです!

 あの伝説のハマースミス・デイズ1990から三十年近い歳月を経てリリースされるのは、6日と7日のショー。それだけでも世界中のマニアが歓喜するであろうこと間違いなしなのですが、それ以上に特筆すべきはトレーダー間にも一切出回っていなかった独自入手のオーディエンス録音を使用しているということ。今回の録音を提供してくれたのは、エリック・クラプトンの1990年ロイヤル・アルバート・ホール各公演をイギリスに渡って録音してくれた、あのテーパー。彼がクラプトンRAHの合間でハマースミスのディランを録音してくれていました。ちなみに8日は「FIRST ORCHESTRA NIGHT」の録音でRAHに出向いた訳です。
 一連のハマースミス公演に関しては古くから良質なオーディエンス録音が広まっており、広がりのある臨場感に長けた音質がマニアの間で親しまれ続けていたもの。クリアネスという点においては、そうした従来の音源の方が勝るように思えるのですが、何と言っても今回の音源における最大の魅力、それはディランの声を中心とした音像のオンなバランス。従来の音源(以下、既発音源と称します)はステレオ感たっぷりなクリアネスが大きな魅力ではあったのですが、一方で音像が奥まった印象が否めなかったのです。これは90年ハマースミス既発音源で一貫してみられた現象でした。今回の初登場音源はディランの歌声がずっとオンであり、実に好ましいバランスとなっているのです。
 また今回の音源はどちらの日でもショー中盤辺りから若干ながらも音が割れるのですが、これもまた既発音源でも総じて見受けられた現象。つまり、ショーの中盤から会場の出音が上がったことの影響だったのです。もちろん今回の限定のプレスCDリリースに当たり、この音割れはアジャスト。元の録音状態よりもかなり聞きやすくなっています。別のテーパーによって録音された音源を使用した「CRITIC'S CHOICE VOL. 1&2」を持っているマニアの方には是非とも聞き比べていただきたいポイント。

 90年ハマースミス連続公演がマニアの間で高い評価を受けた最大の理由は、演奏内容の質が一貫して高いレベルを保ち、それでいて毎晩のショーの構成が極端に違っていたという面白さに尽きるでしょう。88年や89年の精力的なライブ活動で積み重ねた経験が見事に結実した。端的に言えばハマースミス連続公演でもっともポピュラーな8日と比べてみても、これらの日はそれぞれの内容や構成がまるで違う。しかもGE・スミスの器用なギターさばきや当時のドラマー、クリストファー・パーカーによるキレのいいドラミングは円熟の域。悪いはずがありません。
 6日関して言えば前半は60年代の地味目なナンバーが立て続けに演奏されているのが面白いのです。もっとも「Masters Of War」のアレンジなどは派手なハードロック調であり、このバンド特有のストレートでグイグイと押すような演奏が冴え渡っている。注目すべきは、その合間で披露された「OH MERCY」収録曲の反応が非常に良いということ。
 同アルバムはリリース直後から高い評価を受けただけでなく、イギリスでは何とチャートの6位まで登るほどのヒットとなったのです。それを踏まえれば、ここでの好反応も当然というもの。そしてこの日の前半に演奏された「Political World」と「What Was It You Wanted」は同アルバム収録曲の中においてはライブ演奏の機会が極めて少ないものであり、結果として貴重な演奏だったのです。
 前半がそうした選曲だったからか、中盤のアコースティック・セットは「Blowin' In The Wind」を皮切りとして調名曲のオンパレードという贅沢なメニューも聞き逃せない。それどころか同曲はパリからハマースミスにかけての時期において、この日のみという貴重な演奏となりました。
 ショー後半は「Tight Connection To My Heart (Has Anybody Seen My Love)」の生まれ変わったバージョンのライブ披露が最高の仕上がりを見せています。日本でミュージック・ビデオが撮影されたことでも有名な同曲ですが、ライブで演奏されるようになったのは例のトーズ・プレイスの公開リハからでした。シンセ全開でエイティーズ丸出しなアレンジから生まれ変わり、よりポップで親しみやすいアレンジで演奏されことが当時話題を呼んだものです。実際にここでの演奏がまた最高。そして連日に渡って演奏された数少ないレパートリーの一つであったスタンダード「Like A Rolling Stone」はハマースミス連続公演の中でこの日がベストでは?と思える白熱の演奏。それらに加ええ、何しろディランの歌声が既発音源より近いので、そんなテンションの高さもはっきりと伝わってくる。とどめはアンコールではローリング・サンダー・レビュー時代に連日取り上げられていたカバー「Dark As A Dungeon」久々の演奏。ハマースミス2月6日もやっぱり名演だった!

Disc 1 (54:12)
1. Intro. 2. Most Likely You Go Your Way (And I'll Go Mine)
3. I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met) 4. Ballad Of Hollis Brown
5. Masters Of War 6. Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again
7. Political World 8. Rainy Day Women # 12 & 35 9. What Was It You Wanted
10. Blowin' In The Wind 11. It's All Over Now, Baby Blue 12. A Hard Rain's A-Gonna Fall

Disc 2 (41:30)
1. Song To Woody 2. Knockin' On Heaven's Door 3. Everything Is Broken
4. Tight Connection To My Heart (Has Anybody Seen My Love) 5. Man In The Long Black Coat
6. I Shall Be Released 7. Like A Rolling Stone 8. Dark As A Dungeon (Merle Travis)
9. Highway 61 Revisited

Bob Dylan (vocal & guitar), G. E. Smith (guitar), Tony Garnier (bass), Christopher Parker (drums)