PINK FLOYD - EARLS COURT 1973 2ND NIGHT(2CD) [Sigma 191]

PINK FLOYD - EARLS COURT 1973 2ND NIGHT(2CD) [Sigma 191]

販売価格: 3,800円(税込)

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商品詳細

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Earls Court Exhibition Hall, London, UK 19th May 1973

73年のレア音源が遂に1st genでアップグレード!!

ピンク・フロイドの歴史上、未だ神秘のヴェールに包まれ続けているのが1973年の公演でしょう。アルバム『THE DARK SIDE OF THE MOON』発表に伴う重要なツアーであるにも関わらずミステリアスな部分が多いのはひとえにこの年度の公演数が少なかったこと、そしてそれ故に現存・確認されている録音の絶対数が少ないからに他なりません。世界屈指のフロイド専門レーベルである当Sigmaからは音質優良で粒選りの73年タイトルが幾つもリリースされてきましたが、しかしそれでも他年度公演より著しくタイトル数が少ないのが現状です。

そんな当レーベル発足当初の2008年に『EARLS COURT 1973 (Sigma 11)』というタイトルが出ていたのを御記憶の方は現在どのくらい居られるでしょうか。これは73年5月18日と19日、英国アールズコートで行なわれた2DAYSを両日収録した4枚組で(※ 驚く事に73年5月にフロイドが行った公演は僅かこの2日間だけです)、それまで出回っていた他レーベルの既発盤より長い収録時間と音質の良さを誇っていた為、この英国公演2DAYSの頂点盤として当時世界中の音源ファンから大きく支持された名盤でした。現在では中古市場やショップのオークションに出ると取り合いになるほどの貴重盤となっておりますが、ディスク1と2に収録された初日音源の「Echoes」と「Any Colour You Like」の途中でカットがある不完全なソースだった事もあり、残念ながら初回プレス分のみで生産が打ち切られたまま現在に至っています。ただこのタイトルのキモは何と言ってもディスク3と4に収められていた2日目・19日の音源で、これはなかなか音質が優秀だったうえにノーカット収録だった事もあり、ただでさえ数が少ない73年の貴重なパーフェクト音源として長くその輝きを放っていました。

ところが今年2017年の6月、その音源史に激震が走ります。何とこの5月19日を収録したマスターカセットから直落としした第一世代=1st genの蔵出しテープ音源が突如ネットに現れたのです。アップローダーはフロイドの優良音源を定期的に公開し続けているNeonknight氏で、彼独自のバックボーンとルートによってもたらされた確かなアッパー音源でした。音を聴いてみると既発のSigma 11版では響きや音像の厚みに飲み込まれて確認し辛かった微弱音も聴こえるアッパー感を備えており、まさに 1st genならではの出力感豊かな響きが宿っていたのです。ただ公開された音源はショウ前半の殆どが実際の演奏速度よりも25%ほど速い状態で収録されており(※ マスターテープを再生したデッキのピッチコントロールが若干速めの設定だったか、当日現地で録音したデッキが遅めだったのでしょう)、音像は素晴らしいながらもクオリティ的には玉に瑕があったのも事実でした。これをSigmaレーベルの熟練エンジニアが波形を整えながら最適なピッチでデジタル・アジャストしたものがこの最新作で、音源的価値の極めて高い73年のフル・ショウが1st genノーカットの極上サウンドで甦ったのです!!

ちなみに73年のアールズコート会場でこの大元マスター録音を敢行したのは、名録音を多く残した名テーパーSteve B氏。彼はお気に入りの日本製のデッキとマイクを持ち込み、これにフィリップス製のカセットC120とC60の2本を仕込んで収録に臨んだ様です。録音位置はアリーナの入口40、ブロックBB、座席E14と正確に判明しており、これを1975年頃の座席表が図解入りで出ている下記サイトでチェックすると大変好条件な収録位置だった事が分かるのです。

http://www.tightbutloose.co.uk/tbl-news/earls-court-the-conclusion-may-25th-1975-35-years-gone-dl-retro-diary/ こちら

前述した既発Sigma 11版のサウンドが程度良好だったのもこの座席の位置で容易に理解出来ますが、本最新作はその1st genサウンドですから、そこにどれだけのアドヴァンテージとクオリティを備わっているか、この座席表からも或る程度御想像戴けるのではないでしょうか。

また音像に1st genならではの分解能が感じられる様になった事も特筆されるでしょう。例えば73年らしいオープニングを飾る「Obscured By Clouds」はその導入から音密度が増しているのが瞬時にお分かり戴ける筈ですが、ここで注目したいのはSigma 11版のサウンドより中域の量感と情報量が大きく増しているのに小さな音や弱音が潰れず、むしろ微細な音の存在感が増している点です。シンバル音の拡散やギターの微妙なタッチ、浮遊するシンセサイザーの明瞭感も向上していますし、リズムが動き出すパート(※ 2分54秒付近〜)からは曲の中の軸が見えるラウドな音像に仰天されるに違いありません。「When You're In」は3分54秒付近から突入するオルガンのソロ・シーンに注目です。これまでよりキリッと立った音色でオルガンが現れて原音力に充ちた聴き心地に驚かれると思いますし、終曲後に入るチューニング・シーンもこれまで以上に超至近な鮮明音になっています。「Careful With That Axe, Eugene」も1st genの恩恵が感じられるシーンが目白押しで、特にスクリーム後、6分19秒以降の凄まじいあの展開が身震いする様な鋭さと威力で甦っているのです。まさに原音直系でしか有り得ない音の波動をここでは是非感じて戴きたいですし、そこに至るまでのロジャーの詩の朗読の様な囁きと単音の響きも既発サウンドより+1〜1.5ほど聴き取り易くなっていますので是非御注目下さい。「Echoes」はスライド・ギターの響きにこれまでに無い空間性と立体感が間近で感じられ、移ろいでゆく音楽的な表現変化と音楽的スケールの大きさが過去最高の聴感覚で掴んでゆけるでしょう。鳴き声のシーンもギターの鋭い残響感に違いが顕著ですし、彼方からゆっくり再浮上してくる豊かなオルガンの滲み出しと硬質なソナー音の対比も格別で、まさに彼らでしか到達し得なかった音響芸術を真の原音力で再確認出来る1曲となっています。

ショウ後半の" ダークサイド "も麗しいアッパー感で満ちています。「Speak to Me」での脈動音の肉厚さとSEの鮮明さも度肝を抜かれる近さから現れますし、「Breathe」ではまろやかさだけが目立っていた歌声にも近さと鮮やかさが感じ取れる様になっており、音像の輪郭と際立ちも向上しているのが分かると思います。この時期らしい長尺な「On the Run」も繰り返されるシーケンス音が直撃し続ける興奮で充ちており、その一皮向けた原音のダイレクト感に圧倒される筈です。「Time」はライトとギルモアによるツインコーラスの分解力が高まり、これにアンサンブルの聴こえも増した事から表現の開放と収束のプロセスが一段と分かり易い音で迫れる様になりました。バックの女性コーラスの明瞭感も増した事でその表現が一層鮮やかに感じ取れる様になっていますし、「The Great Gig In The Sky」もその女性コーラスに装飾されるピアノ旋律が更に芯の入った硬質クリスタルな音で出ていますので是非チェックしてみて下さい。「Money」は、既発盤ではアンサンブルが一つの音の塊の様だった音像が細部まで見える音像で出てきます。終曲部から入るモノローグのコラージュも残響感が+1ほど増していますし、「Us And Them」も音の量感が増した上にサウンドの滑らかさが惹き立つ音で出てきますので、どちらも基本的な聴き応えの違いに驚かれる筈です。「Any Colour You Like」では場内を縦横無尽に駆け巡る視野の広いギターの響きがますます確かなサウンドで甦ります。後半で音を押し込む様にドラムとオルガンが併奏するシーンもこれまでに無い鮮やかな迫力が宿っており、ここも世代の若い音の威力をまじまじと感じる一幕と言えそうです。「One Of These Days」も焼けた鉄の様な熱っぽい音で甦っていて、エレガントな挑発とも受け取れる曲の鼓動が直接体に入ってくる感覚に見舞われるでしょう。御存知の通りこの日はニックによるモノローグが" 無い "まま後半の展開に移ってゆく訳ですが、この様子もこれまでとは別格のサウンドでお愉しみ戴けます。またシンセサイザーのスペイシーな音色が強く浮き立つ中盤の展開も原音の直球感満点で出てくるため、聴後の余韻もネクストレベルの深さで押し寄せてくるのです。

どのシーンに注目しても初体験のアッパー・サウンドが漲り、既発Sigma 11版では到達出来なかったマスター・サウンドで体験出来る73年のアールズ・コート2日目。響きと間の取り方に抜群の立体感が感じられる様になった事でその聴き心地は別物と言えるほどですが、これは同時に73年当時のフロイドがどれだけ射程距離の長い音楽を解き放っていたかに改めて気付かされる喜びでもあるでしょう。冒頭でも書いた通りSigma 11版はとうに廃盤で中古市場でもプレミアが付く入手困難タイトルとなっており、当時手に出来なかったファンにはコレクションに立ちはだかる壁となっていました。しかし44年の時空を超えてその1st genサウンドが実体化する今週末は、最初から既発盤超えの高性能サウンドでこの日の演奏が聴き尽くせる絶好のチャンスとなっています。そしてSigma 11版をお持ちだった方はこの音像分解能の高まりと中音域出力レベルの向上感によって、聴き込んだ音の記憶が次々と塗り替わってゆく驚きで胸躍るに違いありません。1st genのプレゼンス豊かな音像で甦るアールズコート2日目、貴重な73年中でも特にレアな5月公演の真のポテンシャルに深く激しく唸らされるこのSigma最新作、是非御期待下さい!!

★ナンバリング入りステッカー付でのリリースとなります。

Disc 1 (67:57)
1. Obscured By Clouds 2. When You're In 3. Tuning 4. Set The Controls For The Heart Of The Sun
5. Tuning 6. Careful With That Axe, Eugene 7. Echoes

Disc 2 (61:27)
The Dark Side Of The Moon

1. Speak to Me 2. Breathe 3. On the Run 4. Time 5. Breathe (Reprise) 6. The Great Gig In The Sky
7. Money 8. Us And Them 9. Any Colour You Like 10. Brain Damage 11. Eclipse
12. Tuning 13. One Of These Days